昔の自分があこがれる自分へ | "学者への道"

"学者への道"

ドイツ研究生活を舞台にした生物学者の奮闘記。"学者への道" in Arizona、"学者への道" in California Berkeleyの続編ブログです。

お酒の中毒者は、アルコホリック(alcoholic)。

仕事の中毒者は、ワークホリック(workaholic)。

だれと一緒にいても、何をしてても、

一番落ち着けるのは勉強をしている時!

という今の自分はワークホリック、

もう病気です(笑)



その理由は4月25日に控える進級試験。

4人の教授がそれぞれの分野について3時間質問しまくる、

拷問に近い口頭試験なのですが、

準備に手こずっています。



まず何を勉強していいかわからないので、メールをするも応答なし。

オフィスに3度アポなしで尋ねてドアをノックして無理矢理スケジュールを組もうとしたり、

とりあえず図書館にこもって教科書を読みあさってみたり、

大学院の先輩から情報収集したり、

授業、学生の世話、研究の間にできることをしていますが、

焦るいっぽう。。。



そんな時、

今年から京都大学の助教授のポジションにつく友達Yさんが、

バークレーに遊びにくるという連絡があり、

研究者をサポートする日本学術振興会(文部科学省所管の独立行政法人、略して学振)のイベントに参加するということで、

自分も飛び入り参加してきました!



みんな学振から資金を支給され、世界中で活躍する博士号をもったあこがれの研究者たち。

そんな中自分ただ一人、学生として参加し、5分間日本語で研究紹介もしました。

日本語で科学を話すのは久しぶりだったのでカタコトになりながらも、

発表後はおもしろいと多くの人に声をかけてもらえ、

ディスカッションではグループリーダーにまで任命され、

ただの学生を一人の研究者として扱ってもらえました(*゚ー゚*)



宇宙や地球の歴史/仕組みを解き明かすという宇宙工学、地質学、進化学の分野から、

がん細胞や病気とどう戦うかという医学、細胞学、免疫学の分野まで、

あらゆる分野の海外研究員の先輩たちをひきつれて、

バークレーのバーで二次会まで楽しみました。



その帰り道、

進級試験勉強が全然進んでいない、明日のことだけで必死な自分と、

学者への道の途中で、普段は気づかないけどちゃんと進んでいる自分

の二人に会えた気がしました。



目の前のことに必死になるのは大切だけど、

たまには立ち止まらないと、

今なんのために頑張ってるのか?

昔の自分がなんのために勉強してきたのか?

これからなんのために生きていくのか?


簡単に忘れて、

毎日がただの苦痛に変わるのはすごく簡単なことだって気づけた。



5年前、10年前の自分が今の自分を見て、

かっこいいって思ってくれる生き方をしないと。

それを続けていけば、

5年後、10年後、必ず目指したい場所へ辿り着けるはず。



Yさんがバークレーを去る最終日の夜、

居酒屋に行き、アカデミアで生きるコツなど伝授してもらい、

少しずつリアルな目指したい場所も見えてきました。

見えて来たからこそのプレッシャーもハンパじゃないですが(苦笑)



来週の水曜日にBiology Lettersという雑誌に自分の論文がでるので、

昨日はLive Scienceの雑誌記者やハワイのフリーの記者から電話でインタビューに答えるなど、

部活を休んで熱を出しながらテスト勉強してた高校時代の自分に教えてあげたら喜んでくれそう(笑)

今はそれでいい。



ここまで来て進級試験に通らなかったら、

昔の自分やサポートしてくれた人たちにあわせる顔がない。

毎日やれることをやってればどんな結果になろうが悔いはない。

毎日ちゃんと生きるぞ!