発砲によりおじさんが去り、1人砂浜に残された裏山。
裏「300年…。1時間が100年。人面魚が動くのを眺めて300年。あ!!」
裏山は乙姫の言っていたことを思い出しました。
乙「服は着ておりませんよ。ふふふ。」
裏「や、そこじゃねえよ!一番どうでもいいわそこ!
玉手箱…。開けるとどうなるんだ?時が戻るってことか?
それとも俺が歳を一気に…?ええい、やるしかねー!」
裏山は玉手箱を開けました。
すると…
亀「さあ、乗ってください。乗らないんですか?早く早く」
それは竜宮城へ行く前のあのいつもの300年前の砂浜でした。
裏山はまた砂浜へ転がっていました。
裏「亀…。亀ーーーー!!!!」
亀「え、なんですか!そんな乗り方…。ちょっと恥ずかしいこんなところで」
裏「恥ずかしいじゃねえよ。あ、お前服取ったろ俺の!このやろ!」
亀「え、なんですか?痛い痛い!銃の傷ひらいてる!」
裏「このやろう、亀甲縛りだこの!効くのかこれおい…」
-完-
裏「玉手箱。中身は…?」
乙「この竜宮城で過ごした『時』が入っております。
これを開けずに持っている限り、裏山様は歳を取らないのでございます。」
裏「は!?うさんくさ!何言ってんだ」
乙「まぁ地上に出たら分かるわポンコツ。さっさと帰れ貧乏顔。」
裏「俺なんかした?こいつこわいわ…。とりあえず分かったよ、ありがとう。行こう亀。」
亀「はいー。」
裏山は気付くとふんどし一丁で砂浜に転がっていました。
裏「ん、服がない…。亀か…。なんだったんだあいつらは…。あ、玉手箱はあるわ。」
裏山はあたりを見回して驚きました。
裏「あれ?なんかタワマン建ってない?え、どこここ!すいませーん、そこのおじさん!」
お「わあああぁぁぁぁああ」
裏「あ、すいません、服、服あの流されてしまって!」
お「そうなんですね!大変だ。しかしあなた一体どこから?」
裏「XX村の者なのですが、XX村はご存知でしょうか…?」
お「XX村?そりゃあなたたしか300年くらい前にここにあった村だね。いったいあなたは…?」
裏「えーーーーーーーーーーーー」
パンパァン。思わず裏山は発砲してしまいました。
⑦へつづく
3時間ほど経った頃、チラチラと乙姫たちが腕時計を見るようになりました。
裏「え、何なの?下手なの?帰ろう亀。やっとだよ。」
乙「ようやくでございますか裏山様。」
裏「ようやくとか言うな。帰りたいって最初から言ってるだろうが。」
乙「こんな事を申してはあれなのですが、ここで暮らしては?」
裏「お前頭おかしいのか。もう行こう亀…。」
亀「かしこまりました。では、乗ってください。」
(疲れた顔で体を揺らす裏山)
亀「私に。お前もおかしいな。」
乙「あ、クソ太郎、クソ、裏山様。忘れ物でございます。」
裏「…。もう何も言わねえけど。なにこれ?」
乙「玉手箱と申します。お土産でございます。」
裏「玉手箱。中身は…?」
⑥へつづく