おーい何コレ 茶養生(ちゃようじょう)和漢人参茶 | コン美味食文化論

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いけずな京女が、コンビニエンスに現代ニッポンの食文化を探求中。食のクロスロードを縦横無尽に放浪してます。


人参茶1


 う~ん迷走と言いますか暴走と言いますか、どこへ行くのか無糖茶飲料。
 おーい伊藤園さん、どうしはったん?
 と聞いてみたい、漢方な商品が出ました。


 頭とカラダ、再起動。
 「茶養生(ちゃようじょう)和漢人参茶」。


 ほのかに甘い緑茶ブレンド
 3種の人参(高麗人参・エゾウコギ・田七人参)500mg(原料換算)
 6種の素材(ナツメ・桂皮・甘草・生姜・黄金桂・緑茶)


 自然の恵みから、おいしく元気を補給。仕事、勉強、趣味に励む人をサポートする元気ブレンドのお茶です。

 「茶養生」とは、古くから伝わる「食養生」の考え方をお茶で実践する伊藤園の新しい考え方です。
※食養生(しょくようじょう)とは、自然の恵みを摂って健康になる食生活のことです。


 あの~、どこが“新しい考え方”ナンデショーカ。
 新しい造語出してきただけやんか!

 狙いはこんなところらしい。>ニュースリリース


 ブレンド茶飲料市場は、このところ好調で、昨年に引き続き今年も伸長が期待できる注目の市場です。しかし市場を牽引しているのは、「健康」や「美容」を訴求する女性をターゲットにした商品が大半で、男性向きの商品はほとんどみられません。
 (中略)ブレンド茶飲料市場において未開拓である男性ユーザーの獲得を目指し、市場のさらなる活性化を図ります。
 
 男性の皆様、このお茶、飲んでみたいですか?素直に聞きたいです。
 まあ、私もよく「あんた、男前だ」と言っていただくことが多い ので、飲んでもいいことにしましょう。
 
 おっとその前にお勉強っと。
 知ってるようで知らない3種の人参。
 高麗人参は“人参”を名乗っておりますがウコギ科の植物で、セリ科の人参とは全く別物。
 生育条件がとても厳しく、韓国・中国・ロシアでしか生産されません。中でも韓国産のものが品質が良いため、「高麗」の名が付けられています。
 主成分としてサポニン配糖体を有し、一般的に言われる効能は疲労回復・滋養強壮・病気予防・体質改善etc.っと.


 エゾウコギは名前からわかるように北海道・中国・ロシアに自生する植物。
 オリンピックで活躍するロシアの選手がエゾウコギを日常的に飲んでいたことから日本でも研究が始まり、スポーツ生理に対する応用が盛んに試みらています。


 田七人参は中国雲南省でしかとれない植物で、その栽培には7年もの年月を要し、収穫後は何と10年間!雑草さえ生えないほど大地の栄養分を吸収してしまうのだとか。
 従って高麗人参よりも効能が高いと言われ、希少な生薬とされてきました。
 …と書き連ねると、これらを合わせて500gも使ってるなんてたいへん有り難いお茶に思えてくるわけですが(笑)、147円ってどーなのよ!?


人参茶2


 飲んでみました。
 ほんのり薄甘い緑茶の味はするものの、いわゆる“漢方”的な風味は遙か彼方、地球の裏側あたり?
 有り難い原材料を使用し、ご大層な商品名をつけているわりには、あまりにもインパクトのない味です。
 男性向けの商品なら、栄養ドリンク並みとは言わねどもう少し3種の人参風味を強調してもいいのでは?
 「元気を補給」をうたってるのに中途半端な薄甘い味って、プラセボ効果※すら期待できないと思うんですけどねえ。


〈伊藤園 茶養生(ちゃようじょう)和漢人参茶〉
内容量:350ml
原材料:緑茶、烏龍茶(金桂)、ナツメ抽出物、甘草抽出物、高麗人参抽出物、生姜抽出
物、桂皮抽出物、エゾウコギ抽出物、田七人参抽出物、ビタミンC


※プラセボは本物の薬のように見える外見をしているが、薬として効く成分は入っていない、偽物の薬のこと。本物の薬の治療効果を実験的に明らかにするため、比較対照試験(対照実験)で利用されますが、プラセボを薬だと信じ込む事によって何らかの改善がみられる場合もあり、これをプラセボ効果と呼びます。