星が降る夜    ~星の降る街 続編~

 

 

 

 

 

 

 

「待ってる」

 

 

 

そう解釈するにはあまりに都合よすぎるか・・・。

 

でも、もしその解釈が間違ってたら

きっと夢の中で怒られるのでは無いかって思う

だから・・・。

 

 

これで4日目だ。

 

「ホントにいいの・・・?」

 

思わずそう問いかけたところでいつも目が覚める。

 

そして起きあがると枕元にあるあの手紙に目が行くのだ。

 

白い封筒に几帳面な文字が並んでいる。

 

 

祥太郎さん、なんで今頃なの?

 

中から手紙を出して、もう何度も読み返して暗記するほど頭に入りこんだ文章を

 

読む。

 

 

『優希子さま。

来る○月×日に美星子の結婚式があります。

僕も久しぶりに上京する予定でいます。 

会えませんか』

 

何を期待したわけではないけれど、この簡潔な文章にがっかりしたのと同時に

 

ホッとしたのも事実だった。

 

何を・・?って言われたら困るんだけどね。

 

そしてその二日後に美星子からも手紙が来た。

 

結婚式の招待状だ。

 

個人用の夏休み明けのことだった。

 

私の会社は、一応会社全体で休む大きな夏休みもあるのだが、そのほかに個人で

 

取る夏休みというのがあった。会社全体で休むのはちょうどお盆前後なので

 

どこに行くのも高い。

 

なのでその前とか、後とか・・・実は何月でもいい、夏休みという名目で休みが

 

取れることになっていた。

 

その代わり他の日はめちゃくちゃ働かされる。とにかく忙しい。

 

結婚式があるってわかってたらもっと後に夏休み取ったのになあ・・・。

 

そう思いながら裏をひっくり返してみると、『雨宮隆一郎・関口光太郎』と

 

書かれていた。

 

お父さん、光太郎っていうんだ・・・なんて今さら思ってみたりする。

 

中には招待状のほかに美星子からの直筆の手紙も添えられていた。

 

『お久しぶり。

 結婚することになりました。

 是非、来てください。兄も来るよ。』

 

いかにも美星子らしい。もう長いこと会ってないと言うのについこないだ会った

 

ような口ぶりの短い手紙が添えられていた。

 

大学卒業後、私達はお互いに忙しくて殆ど会ってなかった。

 

いや・・・もしかして全然会ってないかも。

 

もう記憶にないほどだ。

 

 

行くの・・・・?と、聞いてみる。

 

もちろん友達の結婚式で招待されたのだ。行かないわけにはいかないだろう。

 

行きたい。

 

だけど行ったら祥太郎さんに絶対会うんだろうな。

 

祥太郎さんからもそう書いてきてる。

 

会いたいくせに・・心の中では会いたくって仕方ないくせに、会ったらその後が

 

怖い。

 

私のせっかくの決心が鈍ってしまうじゃない。

 

もう悲しい思いをするのは嫌だよ。