何度もニュースで

 

「雨の日、増水した川を見に行かないでください」

 

キャスターが言う。

 

 

今日帰りの川。

 

 

 

ほんと川の流れ、早い。

 

もし落ちたら流れに飲み込まれる。

 

 

 

 

まだまだ半世紀も前。

 

 

この川は今みたいに整備されてなかった。

 

もっと自然のままの川で、くねってたりしてる部分が多かった。

 

 

当時私の住んでたハイツで、やはり大雨の日。

 

子供が流されたと、自治会から連絡があった。

 

小さな子供が、川を流れてるバレーボールくらいの大きなボールをとろうとして

 

川に落ちたらしい。

 

母親が目を離したすきに外へ出てしまったとか。

 

 

当時は整備どころか、川のところにフェンスもなかったらしい。

 

ハイツの大人は手分けして・・・・母も参加して男の子を探した。

 

 

 

 

だけど川の流れは早く、見つからない。

 

どのくらい探したのかわからないけれど、

 

母たちは帰宅、そして翌朝、男の子は遺体で見つかった。

 

 

もし、もっとこの川が綺麗だったら。

 

当時私も見かけたことあるけれど、ゴミ捨て場にごみを捨てずに

 

向かい側の東京都の人は、ビニールに入ったごみを良く川に

 

投げ捨てていた。

 

そういうゴミが蓄積し、当時は汚い川として有名だったらしい。

 

ゴミはたまり、一帯となって川の水面に浮く。

 

落ちた男の子はいったん川底で頭を打ち、そのまま浮かび上がってきた。

 

だけどゴミだらけの川、男の子はそのごみの下に入ってしまった。

 

もし、川が綺麗だったら・・・・そこにゴミがなかったら

 

男の子は浮いてきてすぐ発見されただろう。

 

 

 

それでも川の先は江の島。そして海へつながる。

 

男の子は川の河口の手前で引っ掛かってるところを発見されたのは

 

まだ幸せだったと言った人がいたけれど。

 

確かに大きな海に出てしまえば見つからないもんね

 

 

落ちた場所からどのくらい離れてたんだろう。江の島。

 

どのくらい流されたんだろう、男の子。

 

 

 

そのあと、川は整備され、少しまっすぐになった。

 

とはいえこうして雨の日は流れが速くなる。

 

 

もしここに落ちたら・・・・川の流れでどんどん流されてしまうだろう。

 

こんなに早いのだもの。

 

 

過信しちゃいけない、

 

畑が心配とか、川が凄いからって理由でフェンスのない川を

 

観に行ってはいけない。

 

 

その後、亡くなった男の子の家族はハイツから越して行ったらしい。

 

何もなかった公園に子供たちが遊べる遊具を置いて。

 

 

 

少しづつ雨はやんできたけれどまだ降ってるし

 

帰りに見たらまだ川の流れ早かった。

 

 

まだまだ油断しちゃダメだよ。