確かに私たちは、風邪すらひかない。

 

・・・いや、ひくか。生粋の吸血鬼のパパが日本に来たばかりのころにひいてたもん

 

な。

 

でもあるとたちも私もえりさも、物心ついた時から風邪なんてひいたことないのに

 

なあ・・・・。

 

日本に来てからも年末、ホントにクリスマス過ぎてあとは大晦日を迎えるだけという

 

頃に、美都子ちゃんが、インフルエンザにかかって全国的に風邪が大流行した時も

 

我が家は全員ぴんぴんしていた。

 

でもこの先はわからないか。

 

まあ、こればかりは考えても仕方ないよね。私は、お味噌汁とサラダを作った。

 

あとは冷凍庫にある、こないだママと大量に作った餃子を焼けばいいや。

 

時計を見ながら・・・誰でもいいから帰ってこないかな、さびしいなあ、そう思って

 

いたころ、玄関で誰か帰ってきた音がした。

 

時間からするとえりさかしら。でも、

 

「ただいま、どうしたりうは・・・?」

 

入ってきたのはかなとだった。

 

「ああ、お帰り、かなと。まだだよ・・・早かったね」

 

「早いって・・・・俺、あるとの代わりに掃除して、現代文の補習に出て、それから

 

だぜ。もう、6時半だ」

 

かなとが時計を見せる。

 

「ほんとだ・・・」

 

って、6時半?

 

「・・・えりさは?!」

 

小学校はもちろんだが、ここから近い。クラブに出ても中学に向けての補習に出ても

 

 

もう6時半だというのに帰ってこないって・・・・。

 

「帰ってないのか?」

 

「・・・・・うん」

 

真冬のこの時期、外は真っ暗だ。小学校の下校時間は5時と決まっている。

 

「友達の家に行ってるんじゃないのか?」

 

「・・・うん」

 

かなとの問いにそう答えたものの、私の心は何か引っかかっていた。

 

もし、友達の家に寄るならきっとあの子なら一言あるはず。それ以前にそんなこと

 

あれば一旦家に帰ってくる子だ。

 

『・・・えりさ』

 

私はえりさに呼びかけてみた。

 

「何かあれば、俺たちに言ってくるだろう?」

 

そうなんだけどでもなんか・・・・。