「・・・え?あ・・?」
パパはしどろもどろだ。
かなとがパパのポケットに手を入れると、中から数十枚のカードを取り出した。
「何それ?」
「その銀色の玉を買う、カードだよ。お金を入れるとその分のカードが出て来て、
そのカードでゲームが出来るんだ」
千円、三千円、五千円・・・どんどん高額の金額が印字されたカードが出て来る。
「えりさ、計算!」
私が叫ぶ。えりさは暗算が得意だ・・・・得意って言ってもこれは単位が一緒だから
暗算が得意でなくてもすぐできそうだけど・・・・
あるとが金額を読み上げ、えりさが計算して行く。
「十万と・・・八千円・・・・・」
「なんですって~」
ママが青くなった。
「パパ、それ、おばあさまからお借りしてきた生活費からでは・・・?」
「それにさ、十万あれば、ここにあるもの全部買っておつりがくると思うんだけど」
えりさが、冷静に商品を見つめて言う。
そして、全員一斉に
「パパ!!」
パパは耳を抑えたけど、私達の怒りは収まらない。
「要するにパパは、からくりに気付いてない」
あるとは、パパの鼻先に指を突き立てると
「パパはこれだけの商品に交換できたから儲かったって思ってるだろうけど、実際
元手を考えると赤字だってこと!」
「そ、そうなのかい?」
・・・やれやれ。私もあるともかなとも頭を抱えた。
しっかりしてよぉ、パパ。
結局あとから近所のスーパーで調べて計算したところ、トータルで二万ちょっとで
済むことがわかり、パパはママから再度雷を落とされた。