ママが夕食の準備をはじめ孝宏たちの分も作ることになったので、杏子にも

 

食べて行きなさいよ、じゃあ、みんなで一緒に作ろうか、と

 

杏子とママと私と三人で夕食作りが始まった。

 

3人立つとキッチンも結構狭いけれども、ワイワイやりながら作るのは楽しい。

 

まるで調理実習かキャンプのようだ。

 

お米をといでお味噌汁を作って、野菜をたっぷり摂れるように煮込みハンバーグに

 

した。

 

大きめに切った人参やブロッコリー、冷蔵庫に残ってたキノコなども一緒に

 

煮込む。

 

「真宏にも美桜にも栄養つけて貰わなくちゃね」

 

ママにとっても孝宏のお母さんにとっても、真宏も美桜も自分の子供のように

 

思えるみたいだ。

 

大なべ一杯の煮込みハンバーグが出来上がった頃、孝宏からLINEが入った。

 

「ママ!真宏が目を覚ましたので、これから三人でこっち来るって!」

 

「あら・・・・・!」

 

ママは助かったと言わんばかりに鍋をガス台に置いた。

 

とにかく我が家で一番大きな鍋の縁ギリギリまで作った鍋は重すぎたのだ。

 

「じゃあ、こっちで食べられるように支度しましょう」

 

和室は美桜が使ってるので、ダイニングに椅子を総動員してお皿を並べる。

 

孝宏が尚人と真宏を連れてやってきた。

 

孝宏はまだ何も言ってないらしかった。

 

「・・・どう?体調。少しは良くなった?」

 

私が聞くと真宏はちょっと赤くなりながら

 

「だらしねえなあ」

 

とボソッと呟いた。

 

「仕方ないわよ、普通じゃ経験できないことをしたんだもの。疲れが出たのよ」

 

杏子がそう言うと私にちょっと目配せをして

 

「きっともっと元気になるわよ」

 

そう言って、和室の扉を開けた。