まあ、それが一番妥当だろうけど。

 

今更ながら怪我した自分を呪う。仕方ないけどもさ。

 

動かないって言うのと、動けないって言うのでは大きく違うのだ。

 

別に孝宏と一緒に行動したかったって言うんじゃないからね・・・・ま、少しは

 

あるけどさ。

 

「さて、どこから探すか・・・・だな、やみくもに探しても・・・・」

 

車に乗り込んだ尚人兄さんに、私はさっき孝宏に伝えたことを話した。

 

つまり、向こうの菜桜を探しに駅に行ったのではないかってことをだ。

 

尚人兄さんはちょっと腕組みして考えて居たけども

 

「駅か・・・・可能性は無きにしも非ずだな、あの孝宏も同じことを考えて

 

居るかもしれないと言うか・・・・あの二人が最後に一緒だったのは駅だもん

 

な・・・そう言うと

 

「よし、菜桜ちゃんの勘を信じて、駅へ行ってみるか」

 

尚人兄さんはエンジンを掛けると、先を歩いていた孝宏ペアの隣まで車を付け、

 

「僕たちは駅に向かう」と伝え、一気に加速した・・・・

 

勿論法定速度内でだけども。

 

車なら当然移動は早い。もしかしたら、あっちの孝宏が着く前に駅に着くのでは

 

ないか・・・・そんな希望的観測もあったわけだ。

 

「菜桜ちゃん、君はここに居て!」

 

ま、当然私では走り回ることは出来ないから、尚人兄さんが行くのが得策だろう。

 

「警察が見回りに来たら適当に言っておいて!」

 

尚人兄さんは叫ぶより早く、運転席を飛び出してった。

 

尚人兄さんにしても自分の弟と同じ顔をしている人間、やはり情があるのだろう。

 

うん、もし何か言われたら、足の悪い私を送る途中でトイレに行ってます、で

 

いいや。

 

こう言うときこそ、怪我してることを最大限に有効に使わなくちゃ。

 

それにしても待つって、ただ待つって辛いな。

 

やっぱり怪我したことを呪うわ。