アメザリ(アメリカザリガニ)愛好家の皆さま、ご存知でしょうか?
少し古い話題になりますが、数日前に環境省の会合で、アメリカザリガニとアカミミガメの規制案が出されました。簡単に言えば、これらを『特定外来生物』の「新しい区分」に指定し、野外繁殖を防ぐという旨です。
特定外来生物に指定された生物について、生体(生きている個体)の運搬・飼養(飼育/栽培)・繁殖・輸入・売買・譲渡などが規制(原則禁止)されます。今回提案された新区分では、生体の輸送(持ち帰り)・飼養は認めたうえで、輸入や販売、野外放出(再放流も)が禁止される予定です。
何しろ、あの環境省です。我々「科学好きのお墨付き」なので、本案が通る可能性は十分にあります。その後どう転ぶかは分かりませんが、通常の特定外来生物に指定されることも考えられます。そうすると運搬・飼養にあたる泥抜きができなくなります。これでは食用消費が減る一方です。既に取り返しがつかない状況となった今、アメリカザリガニの価値としてインスタントなものは、やはり食用利用なのではないでしょうか。
というわけで急遽、食べるためのザリガニ捕獲を決意したのです。向かった先は、いつもスルーしていた、前回新たなハゼを発見した水路です。
水深20cm程度の小さな水路。緩やかな流れがある。
ザリガニもハゼも繁殖しているようで、たくさんいる。
脱皮したばかりの甲殻が柔らかい個体(ソフトシェル)。動きも緩慢で、他のザリガニに襲われやすい。
ドジョウも大小様々。田園地帯まで行かなくても豊富に見られるのは嬉しい。
中サイズのモクズガニ。
史上最大級のイオウイロハシリグモ? そこらのアシダカグモ並みの迫力。
大きな他個体。エビでも狙っているのだろうか。
ライトに飛来したシオカラトンボ。こういう時は、灯りを消して待てば飛び去る。
水中にいたノラクラミミズみたいなのをゲット。全く水から出ようとしないため、水棲ミミズなのかもしれない。
謎ハゼの正体は、見立て通りスミウキゴリであった。
捕獲したアメリカザリガニとモクズガニ。もう1匹いたのだが、当夜に脱皮してしまい他個体に捕食された。また、うち1匹は既に私が食べた。
これでこの水路で見られた水棲動物はカワニナ・アメリカザリガニ・モクズガニ・エビ・ドジョウ・スミウキゴリ(+水棲ミミズ?)となりました。隣の水路にいるヒメタニシやその向こうの田園地帯にいるスクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)は全く見られません。水路ごとに固有の生態系があるのは非常に面白いです。
さて、獲ったザリガニを食べるという行為は、ザリガニ飼育者にとってショッキングなことでしょう。私もザリガニを飼育する身、殺害までに些かの葛藤がありました。
「磯で捕まえたガザミはその晩に味噌汁になる」
「用水路で捕まえたザリガニはペットになる」
当たり前なような、不思議なような。