キマダラカメムシとクサギカメムシ | アリ塚

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今回はみんな大好きカメムシです。好きでもないと服に付けたり部屋に入れたりしません。

 

家庭菜園に来る虫(大抵は翅休めするチョウアブ)の写真を撮影していたところ、ナスの未熟果を吸うクサギカメムシを発見しました。右差し以前紹介したキマダラカメムシと混同されることがあるようなので、ここで見比べてみましょう。

 

クサギカメムシ[Halyomorpha halys]。結合板(腹部外縁の張り出した部分)のギザギザ模様が格好良い。食草は広範に亘るにもかかわらず、何故かクサギの名を冠す。

 

背面の飴色掛かった模様は、輪郭がぼやけている。キマダラより一回り小さい。

 

こちらはキマダラカメムシ[Erthesina fullo]。その名の通り、輪郭のはっきりしたクリーム色の斑模様。頭部は細長く伸びている。

 

クサギの腹面。全体に点描画のようなドットがあり、各腹節には正中線に沿って黒い四角模様■がある。

 

キマダラの腹面。腹部のドットは少なく、明るい黄色が目立つ。口吻がかなり長いことも分かる(腹部の中央まである)。

 

クサギには、頬や脚の基部など部分的にオレンジ色が認められた。これはちょっと面白いぞ。

 

キマダラ最大の特徴はやはり、頭部から胸部にかけて走る線。

 

というわけで、いざ見比べてみると何もかもが異なりました。なんだ属すら違うじゃないか。主な相違点を列挙すると…。

 

クサギカメムシ

・全体が暗褐色で、模様は不鮮明。モザイク。

・腹節は点描画のよう。

・頭部先端は丸く、口吻は短い。

・脚の基部など、部分的にオレンジ色。

・結合板がギザギザ模様。∧∧∧∧

 

キマダラカメムシ

・クリーム色で模様が鮮明。シロテンハナムグリみたいな。

・腹節にドットは少ない。ヌマガエルみたいな。

・頭部は細長く伸びていて、口吻は長い。

・頭胸部に明確なラインがある。

・結合板は鍵穴が並んだような模様。ΩΩΩΩ

 

触角や脚の細部も違うので、極めれば触角だけでも判別できると思います。クサギの体にオレンジ色があることには驚きました。思っていたより派手なカメムシかもしれません。

 

 

肝心のニオイについて。コンディションに因るのかもしれませんが、カメムシの中でもクサイクサイと言われる割にはキマダラアオクサほど臭くありませんでした。もっとも、ニオイの好みは十人十色なので、臭気指数計などで客観的にランク付けするのが適切でしょう。

 

 

ところで、クサギーとかキマダラーとか言うと沖縄方言っぽいですね。アカマターヘビとかキジムナーUMAくんとかアカバナーハイビスカスとか…語尾伸ばせば何でもそうなるか。