これは,ロシアに係わっている人なら誰でも知っていること,いや,経験された方も多いはずです。

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070522-00000006-san-int

 ロシアでは,警察官が外国人に職務質問をよくしてきます。その際,外国人にパスポートを見せるように言ってきます。

 パスポートとビザと外国人登録のされた書類(イミグレーションカード)が3つきっちり揃っていれば,特に問題はないのですが,何か不備があると「警察署へ連行する」とか言って,「嫌なら罰金を払え」と言ってきます。

 そして,外国人側としては,何かおかしいと思っても,その場を早く逃れたくて罰金を払うという結果になることが多くなります。たとえ,問題がなくても,警察官に声をかけられるだけで不愉快な思いをします。

 冒頭にも書きましたように,このことは昨日,今日に始まったことではなく,ソ連邦崩壊直後からありました。

 もう10年以上前のことですが,私はモスクワで初めて警官に職務質問されたとき,パスポートをうっかりその場には持っていなくて(ホテルに外国人登録の手続きのために預けてあって,回収するのを忘れていたのです),その事情を説明しましたが納得してもらえず,近くの派出所に連れて行かれました。そこでも説明をしましたが受け入れられず,まあ自分にもうっかりパスポート不携帯でいたという落ち度があったかということで,20ドル罰金を払って釈放ということになりました。

 その後,ロシアでは,とりわけモスクワとペテルブルクには,ニセ警官もいて,外国人をつかまえてパスポートを見せろと言い,書類に全く不備がなくても,「書類が汚れている」とか難癖をつけて,罰金と称して現金を巻き上げるといった犯罪が絶えませんでした。

 今回,こうしたことが日本のメディアでも取り上げられたということは,私にしてみれば「何じゃ今頃!?,もっと早く日本のメディアが取り上げてくれて,ロシアのマスコミや政府に苦情を申し立ててくれていれば」という気持ちと,「日本のメディアが取り上げなければならないほど,これまでになく状況ひどくなっているのか?」という憂慮の気持ちがしてきます。

 上記の記事によりますと,モスクワの通訳・ガイド協会は,大統領府とモスクワ市政府、警察当局に、この問題について改善を求める書簡を送ったとのことですが,プーチン大統領はテロリズムや外国人による犯罪防止のためには,外国人の取締りを強化する旨の発言をしているとのことで,残念ながらこの問題の即時改善は当分望めず,その点ロシアのある意味でのイメージダウンは避けられないでしょう。

 今日までのソ連,ロシアの現代史というものを見てきて思うのですが,ロシアという国は他の国から好かれるかどうかということはあまり重要視せず,嫌われてでも我が道を行くというのが国是であるという感じがします。

 しかしながら,このボーダーレス化の時代,やはり多くの国の人々から好かれ,訪れられる国というものが,自国(民)に対する誤解や偏見もその分生じにくく,色々な意味で得をすると思います。ロシアにも1日も早くそのことに気がついてほしいと思います。