うまく車内でベオグラード行きのチケットが買えるだろうか?ルーマニア通貨の手持ちは450レイだ。もし足りなかったら,その場でドル札で受け取ってくれるだろうか?いろんなことが不安になってくる。しかし,こうなってしまった以上,運を天に任せるしかない。

 ノルド駅に列車が入ってくる。とにかくベオグラードまで行きたい!ベオグラードへ行けば後は何とかなる!あそこは何とかしてくれる!そんな思いが強くよぎる。そのためには先ず,このルーマニアを抜け出すことだ!
 
 列車に乗り込む前,×××とお別れの握手をする。本当に彼にはこの間世話になった。彼がいなかったら,今頃僕はこのルーマニアでどうなっていたことか。そのことを考えるとゾッとする。彼はもう一晩あのホテルに宿泊する。彼はイスタンブールまでの往復チケットを持っているので,列車に乗ることには全く問題はないのだが,座席の予約を取ることはついにできなかった。

 この“新ルーマニア”には,我々は予想外に振り回されてしまった。
 「×××よ,本当にありがとう!道中の君の無事を祈る!」
 (7月18日<その8>に続く)