夜半過ぎ,列車はブルガリアとの国境へ。何とここでは出国審査のため,乗客は全員一度列車を降りなければならない。

「眠たい時にうっとうしいなあ。」

 と思いつつも,まあ仕方がない。
 パスポートコントロールの場所には乗客たちの長い列ができる。僕の場合は,行列には結構長い時間並んだが,パスポートに出国の印を押されただけで,たった2秒で出国手続き完了だ。すぐに車内のコンパートメントに戻って眠りの続きをする。

 夜が明けると,列車はブルガリア領内を走っている。この国も,車窓から見える景色といえば,一面に広がる緑の草原と,地平線上に位置する小高い丘が主たるものだ。時々列車は駅に停車するのだが,どうもその駅の辺りには,街らしい街の姿というものが無い。草原の真ん中や,山で周りを囲まれた盆地の真ん中に忽然と駅があるといった状況だ。
(7月15日<その2>に続く)