貴方の影を、彼らの目の奥に、探してみるの

知ってる。あなたはここにいること。

でも、探さずにはいられなくて。バカげてるなんて知ってる。

知ってるよ。

ひとりで飲みに行ったの。そしたら、お店に入ってきた画家が、そこにいる人たちの色を、当てはじめるの。

私の番が来て、貴方は色がないのね、って言うの。友達によると、それはその人には私の色が見えなかったんだろうということだけど。

色、貴方の色。貴方に色があったら、貴方を彼らの目の中に見つけるのも簡単なんだろう。

でも、私が探しているあなたは、色がないか・・私には見えない色なのか。

その画家が私の色を見ることができないことに、私が感じた切なさを、貴方も感じているんだろうか。

見てほしいと、今も思っているんだろうか。

見えているよ、と、嘘でも言ったら、貴方は在る喜びを感じることができるんだろうか。

見えているよ。貴方の色が。貴方が見えるよ。彼らの目の奥に、探さずとも、見えるよ。

貴方を、愛しているよ。

誰にも見えなくてもいい。私が見ているよ。

安心してほしい。

私の腕の中で眠ってほしい。

色も形も忘れて、私の目を見て。ちゃんと、貴方が見えてるよ。