小林和男氏の講演会 | ムル☆まり同盟

小林和男氏の講演会

 先日ご紹介したとおり( )、昨日大阪でジャーナリスト小林和男氏の講演会が開かれた。この講演会は、ロシア語通訳協会関西支部主催の公開講座で、通訳者の方以外にも、私のようにロシア語やロシアに興味のある人たちが多数集まっていた。




 彼は、


 「これぞ、ジャーナリスト」


 という方だった。


 何と言ってもお話が上手だ。話の構成、話し方、プレゼンテーション、すべてがパーフェクト。講演が始まって5分後には、会場全体がすっかり彼の話に引き込まれ、うら若き女子学生から経験豊富な年配者にいたるまで、目がラブラブラブラブとなっていた(ように思う)。



 彼の著書は、先日ご紹介した「2時間でわかる図解・ロシアのしくみ」以外に、


小林 和男
エルミタージュの緞帳―モスクワ特派員物語

も、読んでいた。講演で取り上げられたエピソードのいくつかは、すでにこの本で読んで知っていたエピソードであった。恐らく、集まった人たちのほとんどは、すでに彼の著書のうち何冊かを読んでいたに違いない。けれども、まったく新鮮な話として聴衆を飽きさせない。


 なぜか。


 活字を追ったときには、それぞれのエピソードそのものに深く興味を持つ。彼の話の中には、ゴルバチョフやロストロポーヴィチ、ゲルギエフなどといった大物が続々と登場し、生身の人間として発言したり行動したりしている姿が描かれている。本で読めば、小林氏がその現場にいたという事実、彼らと直接、膝を交えて話をしたという事実だけで、十分興奮に値する内容だ。


 しかし、講演で印象に残ったのは、小林氏が、これらの人物とのつきあいを通して何を学んだか、ということであり、ジャーナリストという仕事をしていく上で、ひいては人間として生きていく上での「ことば」の重要性だった。


 講演の最後は、柔道をこよなく愛するというプーチン大統領との会見秘話で締めくくられる。


 「プーチンのこの一言を聞いて、私は彼のこれまでの行動、これから進むであろう方向性が理解できたように思いました。・・・その一言は、宿題としておきましょう。」



 え~っ、そんなぁ~って思うでしょ?


 会場でも、答えを教えて欲しい、という声があがり、何人かが自分の思う答えを述べてみたが、どれも違っていた。


 最後にもう一度、


 「ま、それは、皆さんへの宿題としておきましょう。」


 ということばで氏は講演を締めくくられる。



 彼がなぜこのような終わり方をしたのか、夕食時にあっけなく判明した。夫にこの話をしたところ、間髪入れず答えが返ってきたのだ。


 そう。


 ここは日本。


 自分に柔道の経験がなくとも、家族の中にひとりやふたり、必ず経験者がいるものだ。(私が高校生の頃は、男子には格闘技の時間というのがあって、柔道または剣道は必修科目だった。今もそうであることを祈る。)だから、その場でわからずとも、本当に興味がある人は、帰宅後家族に聞くか、または、メールして尋ねればわかる答えだったのだ。


 それならば、その場で答えを与えられるよりも、数時間考えた後に答えを知った方が、受講生には、より鮮明にその答えが印象付けられる。

 何とも心憎い演出だった。




 尚、最後のエピソードの答え他、講演内容については、ネタバレになってしまうので、氏の著書をお読みください。


小林 和男
1プードの塩―ロシアで出会った人々
小林 和男
白兎で知るロシア―ゴルバチョフからプーチンまで

など・・・。


 


 ベル 【お知らせ】 3月6日には、モスクワ在住日本人を対象に、モスクワにて講演会が予定されているとのこと。このブログをモスクワで読んでいて、まだ、サインアップされていない方、お勧めですよ。




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