孤児が手に職をつけるということ / ボランティアの形 | ムル☆まり同盟

孤児が手に職をつけるということ / ボランティアの形

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 上の写真は、ロシアの名産品、陶器のグジェリ風柄と、トールペイントのホフロマ塗り風柄をあしらったティーポットカバーだ。これらは、以前ご紹介したタミリナ町にある孤児院 で生産されている。顔の部分を描いた女の子は当時その才能を認められ、当時、美術系大学に進む準備をしていた。


 こんなことを思い出したのも、12月18日付けの読売新聞でこんな記事を目にしたからだ。


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 読売新聞では、だれもが笑顔で暮らせる社会をめざし、福祉活動に励む個人や団体を奨励する「読売プルデンシャル福祉文化賞」を設けており、その第4回受賞者がこのほど決まった。受賞者の活動内容を紹介する記事の中、こんな見出しが目に留まる。


クールで熱い「商売人」


 受賞者のひとり森さんは、広島市内で料亭の営業に携わる傍ら、市内の障害者作業所の製作品を、企業の店頭などで販売してもらい、その益金が全額作業所に還元される運動もしている。→


 彼はこう話している。


 「お情けで買ってもらうだけでは先細りする。僕の仕事は、企業や行政のニーズと、作業所の製品をマッチさせること。作業所にも技術の向上を求めます。」


 〔商売人の福祉〕を強調するのだそうだ。


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 話をタミリナの孤児院に戻すと、この孤児院のあるタミリナ町はモスクワ郊外の小さな町だ。行政の財源だけでは運営が苦しく、IWCや在外のチャリティ団体の支援を受けたり、外国の同種施設との交流を行ったり、と、様々な方法を試みていた。その中のひとつに工房の運営もあった。


 孤児院の敷地内に立つ工房。ここでは、上のような人形およびタオルやエプロンなどの布製品、下の写真のようなワラを使った各種置き物を制作して、ロシア国内はもちろんのこと、ヨーロッパ各国にいくつもある取引先に卸していた。働いているのは、学校の授業時間中はおとなが働き、放課後の一定時間(1日2時間と聞いたような記憶がある)、このような作業が得意かつ好きな子どもたちが、クラブ活動のように作業をしているとのこと。子どもが働いた分は、その子の将来のために貯金していると、当時の院長は話していた。(質問しなかったので、働いていたおとなたちが、他の役割を持つ職員が兼任していたのか、パート勤務の近所の人なのかは不明。)


 年端も行かない孤児院の子どもが、毎日わずかな時間とは言え働く、ということには、賛否両論あると思う。この施設を案内してくれたアメリカ人ボランティアは、好きではない、と顔を曇らせていた。


 が、私は、いいことだと思う。


 子どもたちが得意なことをクラブのように楽しみながら、手に職をつけられる、ということは、本人たちの将来のためにもなる。また、彼らの商法も、「孤児院の子どもが作ったものだから買ってください」というスタイルではなかった。事実、ロシアの田舎町を旅行中に、何度か彼らの商品を目にしたことがあるが、「どこの誰が作った」という断り書きはなかった。(ただし、チャリティとして招いてくれる在モスクワ外国人団体はある。)


 そして、孤児院の運営にはお金がかかるのも事実だ。


 また、私がモスクワを去る直前のこと。


 IWCの総会で、会員向けの新しいサークル活動として、「グリーティングカード制作講座」が紹介されていた。もうすぐモスクワを去る私は、それに強い関心を示さなかったが、そこで顔を合わせたチャリティグループの同僚は違った。彼女は孤児院・子ども施設関連のコーディネータ。顔を見るなり彼女は「すごくいいものを見つけた」とばかりに、その講座のことを話し始める。


 「いいこと、思いついたのよ。あの講座の講師を定期的にタミリナに招いて、年長の子どもたちにカード制作を学ばせるの。手に職がつくし、それを売ればお金になるわ。」


 もちろん子どもたちの作るカードがすべて売り物になるわけではない。が、もしかすると、中には手先が器用でセンスのよい子どももいるかもしれない。まずは、そのような才能を発掘する機会が与えられるということが大切なのだと思った。


 彼女の活動はダイナミックだった。イタリア人と結婚したロシア人。英語とイタリア語を話す上、車を乗り回すので、なかなか支援の届かない遠隔地にも気軽に足を運ぶ。多国籍企業に勤務し数カ国で働いた経験を活かし、当時は子育てとチャリティ活動を生活の中心に置いていた。


 ボランティアにも色々な形がある。読売新聞に紹介されていた方も、このロシア人コーディネータも、アイディアを提供し、人と人をつなぐことによって、恵まれない人たちの施設に大きく貢献している。


 今はまだ、仕事もプライベートも、日本での生活が本軌道に乗っていない状態だが、軌道に乗れば、私も日本で自分にできることも少しずつ考えていきたい。


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