シスタークリムの家 | ムル☆まり同盟

シスタークリムの家




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シスターを囲んで


 「シスタークリムの家」は、聖マザーテレサ教会に属するポーランド人のシスターたちがアパートの一室を借りて運営しているもので、以前ご紹介した聖エカテリーナ教会スープキッチン同様、外国人が運営するチャリティ施設だ。シスターたちは、信仰に基づいてこの地で奉仕活動を行っていて、ロシア語は話すが英語は話せない。この日は、私を含め、何人かの日本人見学希望者がいたため、ロシア語堪能なドネーション・オフィスの同僚のポルトガル人が通訳を買って出てくれ、訪問が実現した。


 この施設は、シングルペアレントだったり親がアル中や病弱だったり、と家族と一緒に暮らしているものの、事情が厳しい学齢の子どものための、シェルターのようなものだ。他の施設との大きな違いは、公的施設ではないので、ご縁があって紹介されたり出会ったりした子どもたちを、家族ともどもお世話されているということだ。訪問した日は、20名前後の子どもたちが集まっていた。親御さんについては、相談相手になるなどの形で精神面のケアをされているようだった。放課後から親の帰宅時までに集まる子どもたちが多いようだが、中には学校に行っていない子ども、夜遅くまでこの施設で過ごす子どももいると聞いた。


 この施設に対しIWCからは、遊具や知育玩具などの施設の備品、それに衣料品など物品の提供をしているほか、このポルトガル人や、以前在籍していたポーランド人などシスターと十分にコミュニケーションのとれるボランティアが、シスターの相談相手になったり、この施設のために何かしたいという外国人との橋渡し役になったりしてきた。


 この日は、私たちのグループを歓迎して、子どもたちが人形劇を見せてくれた。それから、みんなで一緒に歌ったり、踊ったり、ゲームをしたりして楽しいときを過ごした。 「外国人が遊びに来る」というのは、ひとつのイベントになるらしく、本当に「タダのお客さん」で行ったのに子どもたちは大はしゃぎだった。


 この施設を訪問したのは、帰国直前2月のことだった。この頃の私は、自分にできる何かとは「知ってもらうこと」だと思うようになり、日本人会の会報に寄付が必要なものを募るリスト(ウィッシュリスト)を掲載していただいたり、見学の希望者がいればアレンジして同行したりするようになっていた。


 知っていただく、という小さな活動もそれなりに効果はある。


 たとえば、この日の同行者には、ドネーション・オフィスの日本人の同僚と彼女のご主人もいらっしゃった。ご主人は某電器メーカーにお勤めで、今後、彼がモスクワの地を離れても、事務所で不要になったサンプル等を継続的に寄付したいと申し出てくださった。同僚がこのボランティアを始めるまでは処分されていた大量のサンプルを、これからは恵まれない子どもたちの施設に寄付してくださるという。(テレビ、ビデオモニターなどのオーディオ機器各種は、どれも貴重な教育機器として歓迎されるアイテムだ。)


 最近は、元諜報員暗殺疑惑やサハリン2関連など、ロシアに関しては印象のよくないニュースが多く伝わってくる。大きなニュースは確かにその国の大きな流れを象徴しているかもしれないが、体制が大きく変化するとき、犠牲になるのはいつも弱者である。ロシアの場合、怖そう、危なそう、等々のイメージが先行してしまい、テレビでも面白おかしく取り上げているのをよく見かけるが、一般の人たちのことももっと知って欲しいと思う。何ができるわけではないが、このように外国から温かい手を差し伸べる人たちの存在を知り、社会について考える機会を持つということも大切なことだと思う。


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