ユネスコ・スフェラ (地域のアフタースクール・クラブ) | ムル☆まり同盟

ユネスコ・スフェラ (地域のアフタースクール・クラブ)

front

建物の入り口。

コーディネータによれば、最初はユネスコから何らかの支援を受けて設立、現在は地域行政が運営しているという。



 ユネスコ・スフェラは、市内東部にある子どものためのアフタースクール・クラブ。地域行政が管轄しているということで、日本で言えば、区立、と言ったところか。公立学校に隣接したこのクラブ、建物自体は、昔、郵便局だったものを改造して使用しているとのことだ。


 公立学校に通う一般家庭の子どもたちのために、チャリティの援助が必要なのか、と思われるかもしれない。しかし、急速に社会情勢が変わるロシアにおける貧富の差は、私たちの想像をはるかに上回る。裕福な家庭の子どもたちは、日本同様、いくつも習い事をし、英語の家庭教師が付き、海外旅行にも出かけるが、大多数の子どもたちには、そのような余裕はない。したがって、このようにクラブ活動や技術習得ができる施設は、彼らにとって大変貴重な場所である。


 このクラブの立地する地域は、貧困層が比較的多く生活しているため、クラブでは、子どもたちに課外活動の場を提供するだけではなく、長期休暇中の短期アルバイトの斡旋も行っている。短期アルバイト、と言っても、地域行政が提供する仕事なので、公園の清掃やゴミ拾い、(ペンキ塗りなどの)簡単な改装工事のお手伝いなどで、決して、民間施設での低賃金労働ではない。貧しくて生活していくのがやっと、という家庭にとっては、ありがたいプログラムとなっている。


 ここでは、手芸、絵画、演劇、フォークソングなど、様々なクラブ活動を指導している他、夏休みにはサマーキャンプも行っていて、IWCからは、それらの活動で必要とされる物を寄付している。運営、指導にあたるのは行政の職員が中心だが、有名な歌手やOBもボランティア指導者としてしばしば足を運んでいるらしい。


 また、このクラブの立地する地域には、退役軍人のクラブ本部がある。この施設では、そこに所属するお年寄りたちがボランティアとしてスタッフを手伝っていて、子どもたちとの異世代交流の場ともなっている。私たちが訪問したとき、代表として挨拶をされた方が「日本人の方たちとこんな風に交流できる日が来るなんて…。」と涙を流していたのが印象的だった。


 尚、このクラブには、現地の日本人学校の生徒たちが、バザーの機会を利用して、自分たちの書いた詩の詩集や校庭で育てた日本野菜等を販売した売上金を寄付したこともある。今や、就職には不可欠の条件となったコンピュータスキル。このクラブでもコンピュータ・クラスを始める計画があり、そのための最初の1台のモニタ購入資金に充てていただいた。 


 このような施設への支援活動は、物品の寄付のほかに、こういった職業訓練コースの企画、運営、施設修理の金銭的援助などを伴うので、コーディネータは事情が十分にわかる、外国人を配偶者に持つロシア人女性が行うのが一般的だ。この施設のIWC側担当者も、数カ国で働いた経験を持つ元キャリアウーマンだった。


 施設の方たちはおっしゃる。この子たちには、外界と接する機会が少ないから、外国人の皆さんの訪問はいつでも大歓迎ですよ、と。孤児院の子どもたちに比べれば、一般家庭の子どもたちだからはるかに行動範囲は広い。しかしながら、我々、外国人のように、自家用車を持ち、週末には外資系ショッピングセンターで一週間の買い物をすませ、帰りには外食…といった生活とは、程遠い生活をしていることは明らかである。
 
 もう少し、ロシア語ができたら、この子たちとの交流サイトなど立ち上げたら面白いだろうな、と思ったのは、もう2年も前のこと。相変わらず、私のロシア語は、とてもそのレベルには及ばない。


theater

施設内にある劇場。

突き当たりに見えるのが舞台で手前は客席。客席は、普段は手芸クラブなど机に向かって活動するクラブが使用したり、設置されたゲームで交流をしたりする場所となっている。



remont

客席の一部を修理する子どもたち。ロシアでの改装、修理作業のほとんどは、業者委託ではなく自前なので、お金があまりかからない。それにしても器用な人は本当に多い!



handcraft

手芸クラブで製作中のオーナメント。



artclub

絵画クラブ活動風景。



kilting

作品のパッチワーク。

「手芸は大切よ。最後に職にあぶれた時は、自分で何か作って売れば食べていけるわ」って、いつもママに言われて育ったの、という友人の言葉を思い出す。彼女は公務員、彼女のお母様は営業レディでお父様もいくつかのお仕事をお持ちなので、現在のところ、その手先の器用さを生かす必要もないのだが、ロシア人に器用な人が多いのも、「最後には自分の手についた職しか信じられない」という切実な気持ちがあるからかもしれない。

present

日本人学校からのプレゼント。

フタには「モスクワ日本人学校からのプレゼント」と書かれた紙が貼られている。


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