ロシアで見かける日本語 | ムル☆まり同盟

ロシアで見かける日本語

 モスクワに住んでいた頃、日本人が日本食レストランの良し悪しを判断する大きな要素は、日本資本かどうか、と、調理人さんが日本人かどうか、ということだった。

 たいていの日本食レストランでは、たとえオーナーが日本人でなくても日本人コンサルタントを使っていたり、オーナーに10年以上の長きにわたり日本に居住した経験があったりして、「それなりに」上手に真似ているのだが、それでも、うまく言葉には表せないのだが「何かが」違った。

 たとえば、わかりやすくビジュアルな例を挙げると、従業員を黒髪で統一したり、着物を着せたはいいけど、化繊の着物に柔道着のような帯の締め方をしたり、と、一生懸命形を真似ているのだが、その結果、「ロシア人がプロデュースしましたよぉ」ということをかえって強くアピールしてしまっている。

「日本人=黒髪」と言うのは、いかにもスラブ民族の思いつきそうな発想。(二昔くらい前の日本人が「外国人=アメリカ人=青い目で金髪」という固定観念を持っていたのと同じだ。) 日本人から見れば、どんな髪の色をしていようと非日本人には違いないのだから (それに最近は日本人でも黒以外に染めている割合はかなり高いし) 無駄な努力のような気もするのだが、たいていのチェーン店ではそうだった。

 が、状況はどんどん進歩しているようだ。

 モスクワ大学や日本大使館関連の施設だけではなく、他の大学でも日本語を教えるようになってきていて、その卒業生たちがさっそく堪能な日本語で観光ガイドやバイリンガル秘書など、「学者」ではなくサービス業やオフィスワークの分野でも活躍するようになってきている。また、日本同様、英語とパソコン技術が必須になるにつれ、「英語プラスアルファ」という志向も出てくるので、まだ話せる人が少なく、しかも企業進出が増えている日本語は注目されているように思う。かつてお世話になった欧州系クリニックの受付嬢も「日本語はいつか習ってみたいと思っている」と話していた。

 モスクワでレストランや劇場等で日本語の看板やメニューを目にするにつけ、ネイティブが作成したものかロシア人が作成したものか、よく夫と話題にしたものだ。当時は、ロシア人が作成したものは一目瞭然でわかった。上で挙げた黒髪板前のようなものだ。文法の間違いもさることながら、あまりにも「不自然で下手な日本語」が多かった。今後、日本語学習者の層が厚くなるにつれ、ロシアでも洗練された日本語にお目にかかる機会が増えていくのだろうか。

 何年後かに、もう一度ロシアに行くことがあれば、日本語レベルの向上度もチェックしてみたいポイントのひとつだ。


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「食事は喰うもので・・・」



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「うまい」とメニューの表紙に

(この店の名前は「うまい」ではありません)


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これはおかしな日本語ではないのですが、日の丸に抜かれた文字は、日本の漢字ではないのです。ハングルなのか中国漢字なのか、その場にいたメンバーにはわかりませんでした。ウェイトレスさんにも訊いてみましたが、彼女も何語なのか知りませんでした。ちなみに日の丸横にはロシア語で「日いづる国」と書かれています。そういう意味の何語???