趣味で楽器を弾くということ | ムル☆まり同盟

趣味で楽器を弾くということ

芸術大国ロシア。


では、趣味で楽器をたしなむ人もさぞ多かろう、と思ったら、大きな間違いだ。ご存知の通り、ロシアは日本ほど豊かな国ではない。(いや、そもそも比べること自体、間違っている。) 職業にもしないのに楽器を趣味でたしなむ人など、私が知る限り皆無である。


ただ、教育の機会は用意されている。旧ソ連時代の名残で、楽器や体操など幼少時代からの特殊技能教育を要するものについては、今でも国営の無料施設が用意されており、希望すれば誰でも、放課後週2回の教育を受けることができるのだ。どの分野にもかなり完成されたメソッドがあるので、何年かすれば、才能のある者、ない者の明暗はおのずと分かれ、後者は見切りをつけた時点で学校を離れていく。


そういうシステムなので、おとなと楽器の話をすると、かなりの割合で楽器経験者に遭遇する。けれども彼らの大半は、「私も、ピアノを習っていたことがあるの、でも下手だからやめたのよ」「ボクも太鼓習ってたんだ、下手だったけどね」という言い方をする。そして、たいていは自分にいかに才能がないか、自分の友人や親戚の○○さんはいかに才能にあふれているか、という話に流れる。


モスクワでお世話になっていた調律師の方も、そんな「元演奏家志望少年」のひとり。そんな彼に、「学生時代にオーケストラでクラリネットを吹いていたのだ」と話したら、音大でもない普通の大学にオーケストラがあったり、そこにただの趣味で楽器をしている学生がオーケストラ楽曲を演奏できるくらいたくさん集まるということ自体に大変驚き、とてもうらやましがっていた。そんなオーケストラがモスクワにあれば、自分もぜひ入りたかったのに・・・と話していた。


考えてみると、普通の中高生や大学生が課外活動としてブラスバンドやオーケストラを楽しめるという日本の環境はかなり恵まれている。自分自身としては、音楽的バックグラウンドに乏しく、できる人に「ついていくだけ」という活動の仕方だったので、それを恵まれた環境だとは考えたことはなかった。今、考えるとかなりもったいなかったかも・・・。


・・・ということで、チェロ代をチマチマ貯金する今日この頃。恵まれた国日本に生まれた利点を活かして、そのうち再開したいという気持ちはあるのだが・・・。(色々、忙しいにゃよっ☆)




playingcello

リラクゼーションのために楽器を趣味で弾くという考え方には、先生は賛成できないようだった。楽器を弾くからには、常に「これがチェロなのよっ」という気持ち、10人チェリストがいれば「これが私の弾き方よっ」という気持ちを持って弾くべきだと、常に厳しく言われた。(あまり厳しいので腹が立って、言い返す言葉をロシア語教師に教えてもらったことがあるくらい・・・。)・・・そういうところが自分には著しく欠けているなぁっという自覚が、再開に踏み切れない理由のひとつでもある。