「おせっかいおばあちゃん」の季節 | ムル☆まり同盟

「おせっかいおばあちゃん」の季節

モスクワの最近の外気温は、最高気温が8-10度程度で、ほぼ日本の(このへんの)真冬並みである。この時季、なつかしいのが、街で出会う「おせっかいおばあちゃん」たちである。


モスクワに行ったばかりの年だから、この季節か、あるいは同じくらいの寒さの初秋だったかもしれない。当時2歳過ぎだったお子さんのいらっしゃる方と、近くまで出かけたときのこと、いきなり、見知らぬおばあちゃんが寄って来て、友人に向かって早口で畳み掛けるように話し始めた。頭にスカーフをして、古びたコートを着た、どうみても何かの勧誘をしている人にはとても見えないような、素朴なおばあちゃんだった。


「えっ~、○○さんってぇ、いつの間に、こんなローカルなおばあちゃんとお知り合いなの???」とびっくりしたが、友人も「ええ、ええ、そうね、わかったわ~っ、ありがとうっ」とロシア語で親しそうに受け答えしているではないか。


彼女の「わかったわ、ありがとう」を聞くと、見知らぬおばあちゃんは満足そうに微笑み、お子さんの素足をパンパンっと軽く叩いて去って行った。


あとで聞いたところ、ロシアのおばあちゃんたちは、子どもが十分に温かい服装をしているかどうか、ということにとてもうるさい。素足などで外を歩いていようものなら、「冷えるのは身体によくない」ということで、親に厳しく忠告してくるということ。彼女にとって、このような忠告を道端やバスの中などで見知らぬロシア人から受けることには、すでに慣れっこなのだという。


日本人は概してあまり子どもに厚着をさせない。身体を鍛えるためにも、できるだけ子どもには薄着をさせるよう心がけるものだ。外気温もこのくらいに上がると、素足だろう。もっと日本人の知り合いが増えてからわかったことだが、ベビーシッターを雇っているおうちでも、概してお子さんの着る物の枚数には、奥さんとシッターさんの間で激しい論戦(?!) が繰り広げられることも珍しくないのだとか。


ともあれ。


日本にいれば、昨今、着る物どころか、よそのお子さんのいたずらや好ましくない行為にですら、他人はなかなか口出しできないような風潮にある。そんな国から来た私たちにとって、通りすがりの子どもの着る物の枚数を心配してくれるような「おせっかいおばあちゃん」との遭遇は、なんとなく温かく微笑ましい経験でもあった。


eveningapril

4月半ばの森の様子、まだ芽吹いていない