「The People's Act of Love」 | ムル☆まり同盟

「The People's Act of Love」

James Meek
The People's Act of Love

ロシアに10年間駐在したロンドンのジャーナリストが、20世紀前半のロシアを舞台に書いた純文学作品。モスクワタイムズで2度にわたり大々的に紹介され、「ロシアを舞台に2005年に外国人が書いた文学作品の中では、突出した傑作」とまで書かれていたので、ついつい取り寄せてしまった。


物語はシベリアの片田舎を舞台に、内戦時代の赤軍や、チェコ軍侵攻、去勢した新興宗教、自らの目的を達成するために人食いまでいとわない狂人まで登場して、かなりショッキングな要素が絡み合って展開する。最初は、ロシアの広大な荒野を目の当たりにし、複雑な社会情勢に長期間にわたり外国人がどっぷり浸かっていたら、こんなストーリーも思いつくかもしれないと、少し醒めた目で、最近読んだ外国人が書いたロシア関係の小説と比べながら読んでいた


が、物語が先に進むにつれ、だんだんのめり込み、最後の3日間くらいは家事やネットを最小限にして、ただひたすら読んでしまった。


意外な結末、優れた人物描写、そして読後に強く残る物語のテーマ、確かにこういうのを純文学の傑作というのかもしれない。ちょっと分厚い英語の本だが、時間がある方にはお勧めしたい。