「おはなしは国境を越えて-ロシア絵本の世界」 | ムル☆まり同盟

「おはなしは国境を越えて-ロシア絵本の世界」

岩本 憲子
おはなしは国境を越えて―ロシア絵本の世界

筆者は、長年にわたり、公立図書館で司書として働く一方で、「カスチョールの会」というロシアの児童文学・文化を研究・紹介するグループの活動に携わっている岩本憲子さんという方だ。ロシアの子ども向け絵本のリストを探していたら、偶然別の活動を通して知り合った方が、その会の会員だったため、この本を紹介していただくことができた。


紹介されているのは、1歳児程度から小学校低学年までを対象とする絵本だ。何となく覚えているものもあるが、馴染みの薄いものが大部分で、やはり英米、欧州から紹介される童話に比べ、ロシアから紹介されるものがかなり少ないことが実感される。この本のあとがきによれば、年間わずか10点程度しか紹介されないのだそうだ。


筆者によれば、ロシアものは概して、どっしりと地に足をつけた土臭い、人間味の濃い作品が多いので、現代の日本人には受け入れられにくい側面を持っているが、一度その魅力に気づくと、もっともっと知りたくなる魅力を持っているとのこと。


筆者の図書館での経験を活かし、ただ単に本の紹介にとどまらず、読み聞かせをしたときの子どもたちの反応や、その他のエピソードが一緒に紹介されているので、日本人の子どもたちにどのように受け入れられるかということについて、参考になる。


☆ 関連画像として、モスクワ郊外「アブランツェボ」という土地にある、19世紀、あらゆる分野の芸術家の溜まり場となったある富豪の別荘地を訪ねたとき、露天商から購入した、地元の童話作家エレーナ・ドミトリエーブナ・ポリノーバの絵本をご紹介します。文字は古代ロシア語で書かれていまして、辞書を用いても解読不可能なので、ロシア語の家庭教師に読んでもらいました。ストーリーはどこにでもある、さらわれたペットを追って森に迷い込み、怖い目に合い、魔女にも会い、最後には無事、家にたどり着く、というものでした。絵の美しさが少しでも伝われば、と思います。

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