聖なる水 | ムル☆まり同盟

聖なる水

kreshenie

 今日は、ロシア正教のクリェッシェニエのお祭り(復活祭)の日だ。この日にイエス・キリストが洗礼を受けたのだそうで、それを祝って、教会では終日讃美歌が歌われ、教会の前では一般の参拝者に聖なる水が配布される。この水を飲み、家中に撒くと、1年間よいことがたくさん起こり、家庭に平和と幸福が訪れるという。


 1年前の今日、私もやじ馬根性を発揮して、5リットルのペットボトルを持参し、友人とともにお水をもらいに行った。すぐ近くの教会でもこのお祭りが行われていることを、出入りの宅配業者のおばあちゃんが教えてくれたからだ。彼女はまるで、とっておきのヒミツを教えてあげるわよっと言わんばかりの口調だったので、ついつい行ってみたくなったのだ。また、正教徒でなくても外国人でも、誰でもお水はもらえるということも教えてくれた。


 行ってみるとびっくり!


 いつもはひっそりと静まり返った教会が、まるで大晦日からお正月にかけての日本の神社みたいだったのだ。教会のそう狭くもない敷地は人でごった返し、聖水をもらうための列は教会を一周していた。そして、お水を配布しているのは、軍の若いお兄ちゃんたち!人ごみでトラブルや危険なことが起こらないようにとのことだろうか。


 物見遊山の私たち、教会の中がどうなっているのかも知りたかったのだが、長蛇の列が気になったので、まず列に並び、一人ずつ、参拝した。(中ももちろん初詣のときの明治神宮の境内みたいだった。)並んでいる間に、他の人たちがろうそくと何か紙切れを持っているのを、友人が目ざとく見つけたので、前後の人に買う場所などを尋ねて、私たちもさっそく購入、それらを携えての参拝だった。(紙切れには、自分の願いごとと名前を書くことになっていて、ろうそくとともにお供えした。)

 それから、明らかに正教徒ではないロシア人もいっぱいいた。

 親に「家でブラブラしているんだったら、家族のために聖水を汲んできなさい」とでも言いつけられたふうに見えるヤンキーっぽい少年もいれば、ロシア人ながらにこの行事が初めてで珍しくてしかたないっという興奮気味の人もいた。現に、ろうそくと一緒にお供えする紙の書き方も、何人かに尋ねてやっとわかったことで、最初の数人は、「自分たちも他人の真似をしているだけで、何を書けばいいのかわからない」だとか「自分たちも今回が初めてだ」とか言っていた。


 意外だったのは、外国人は私たち以外に見当たらなかったことだ。モスクワ・タイムズでも取り上げられていたし、キリスト教では大きなお祭りなので、他の外国人たちが知らないはずはない。おそらく他の外国人は自分の宗教を持っているから、他の宗教の行事には参加しないのだろう。


 お参りをして、聖なるお水をたっぷりいただいた私たちは、大満足で帰宅し、その日に用事のあったおうちには、わざわざ聖なるお水持参で出かけた。


 この1年間、どちらかというと、一生のうちに何回も起こらないようなよくないことがたくさん起こった。けれども、それにも関わらず、ちゃぁんと前に進んでいて、よい出会いや再会がいくつもあって、今、すべてがいい方向に向かっているのは、あのお水のおかげのようにも思える。


 例年、このお祭りの前後が1年でもっとも寒い時季らしいが、今年は記録的な寒さで、公立学校がお休みになったり、ホームレス対策が案じられたりしているという。 こんな寒い中でも、教会には人が集まってきているのだろうか。日本で言うと、台風が来た場合、お盆参りはするかしないか、という問題かもしれない。

moroz

газетаという新聞の画像・・・寒そうっ