ワシリー聖堂が危ない? | ムル☆まり同盟

ワシリー聖堂が危ない?

ワシーリー寺院

 皆さんはご存知だろうか?


 モスクワのシンボル、ワシリー聖堂。日本では、何かロシアで大きな事件が起こって、特派員の方がモスクワから生のレポートをする際、かなりの頻度で背景に使用することで知られているが、この寺院が建っている赤の広場は、しばしばポップ・コンサートや各種イベントの会場として使われているのだ。


 何しろ「モスクワ市の中心」に位置するのだから地の利も最高、そして広い。鮮やかな色に独特な形状の建物は、ライブ映像としてもとても絵になる。使わないという手はない。



 私自身はここでのイベントやコンサートに足を運んだことはないが、2003年にポール・マッカートニーが来モしたときには、同年代の外国人女性たちが目をハートマークにしてうっとりとコンサートの余韻に浸っていたのを今でもよく覚えている。


 それが、ワシリー寺院によくない影響を与えているらしい。広い場所だから、何もイベントが開かれていないときには、自然と若者が集まってきてスノボーをしたりもする。それもよくないらしい。審議会が設置され、コンサートの開催に規制が設けられたという記事が新聞に出ていた。


 コンサートやイベントが行われる際は、日本と全く同じように、大音響設備が設置され、照明も大掛かりだ。ワシリー寺院は、16世紀に建てられた建物、当然のことながら、そのような設備による震動には対応していない。今の調子で聖堂付近でのコンサートを開いていると、建物は一部損傷、最悪の場合倒壊の恐れもあるそうだ。

 また、赤の広場にはお墓もたくさんある。レーニン廟にレーニンが眠っているだけではなく、その他の政治的要人も多数葬られている。それに、この広場にある「ロブノエ・ミェスタ」では、歴史上、数々の政治犯が、極刑にされたり、そのままさらされたりした場所だ。・・・あまり縁起の良い場所でもない。


 近くには、クレムリン大会宮殿他、多くの室内大ホールがある。大会宮殿は6,000人を収容し、かなり大々的なイベントにも対応できる規模だ。他にもたくさんある。


 個人的は、私はワシリー寺院がとても好きだ。外見は、もちろんモスクワのシンボルだが、派手な色使いの外部とは対象的に、内部は聖人のミイラが安置されている厳かな空間で、9つある各塔の下にはひとつずつ、異なる技法を用いた礼拝堂がある。廊下のフレスコ画も落ち着いた色使いだ。この建物を一歩出ると街の中心部、政治の中枢クレムリンもすぐ近くにある、なんていうことは、とても想像できない神秘的で静かな空間がそこにはある。



 そういうわけで、私は、ワシリー聖堂を守り、赤の広場での大音響コンサートの数や規模を制限する方に一票を投じたい気分だ。