フィギュアスケートを見ていると、時折、まるで水の中で滑っているような…水を感じさせる演技に出会うことがある。中でも私が好きな”水を感じる演技”は、中国の陳露が98年長野五輪のエキシビションで滑った、マライア・キャリーの「バタフライ」である(↑上の動画)。同じ長野五輪の決勝フリーでも、蝶を題材にした「バタフライ・ラバーズ」を演じ、銅メダルを獲得した。

この時の彼女はーー私の推測にすぎないがーー長野五輪に照準を合わせてくるのがやっとの状態だったのではないかと思っている(理由は、ブログでさんざん語ってきたので、今回では割愛する)。なぜなら、エキシビション・ナンバーの「バタフライ」は、競技会用の「バタフライ・ラバーズ」と同じ振り付けが随所に見られ、エキシビションとして一つの作品を作る余裕は、あまりなかったのではないか?と感じられたからだ(これについては、下の補足を参照:※1)。

しかしながら、陳露の演じるマライア・キャリーの「バタフライ」は、「バタフライ・ラバーズ」とは全く違った雰囲気を感じ取ることができる。前者は、歌詞からすると失恋の歌。男性を自分の心から解放し、同時に自分も新しい人生をいきていこうとする女性の意志を歌っている。後者は、中国の「ロミオとジュリエット」と言われるように、中を引き裂かれた男女が蝶になって添い遂げるという伝説を元にした曲である。同じ蝶を題材にしても、全く違った演出ができるという彼女の演技力の幅の広さがここから垣間見ることができる(刈谷アナもそんなこと言ってたような)。

「バタフライ・ラバーズ」の演技は五輪で滑ったからか、かなり有名になり、彼女は中国で「氷上の蝶」と呼ばれているという。私に言わせれば、マライア・キャリーの「バタフライ」の演技に限っては、「水の中の蝶」だ。なぜそう感じるのか分からないが、水の中をたおやかに自由に泳ぎ回る、魚…ではなく、あくまでも蝶のようだ。

ちなみに歌詞については、彼女が使っていた部分を全部書いていたのであるが、先ほど、ブログの端っこにあった「著作権の注意書き」みたいなの読んだら、摘発が怖くなったので…、「引用」の範囲ということにして、今回のブログで言及するに必要な一部の歌詞のみ紹介したいと思います。歌詞が全部読みたい方は、検索すればいろんなところから出てきま~す。著作権についての私に見解を簡単にまとめました(※2)。





Now I understand to hold you
I must open my hands
And watch you rise

Spread your wings and prepare to fly
For you have become a butterfly
Fly abandonedly into the sun
If you should return to me
We truly were meant to be
So spread your wings and fly
Butterfly

(Mariah Carey 「Butterfly (1997) 」の歌詞より一部引用)





私が好きなくだりの訳↓(一部のみです)

でも今はわかる
あなたを抱きしめるには
両手をひらいて
あなたを解き放たくてはならないと

太陽に向かって思いきり飛びなさい
もし私のところにもどってきたとしたら、
それは私たちが本当に結ばれていたということよ
羽を広げて飛んでいけ
蝶よ


抱きしめるには両手をひらいて解き放つ
っていうくだり、矛盾しているのに、なんか分かるのよね。
理恵さんのおっしゃっていた、手放すってこういうことなのかな…。

※あ、上の日本語薬は好きなとこの寄せ集めなので、
 中略していますので、ご注意を!!


以下、余談。

この他、水を感じさせる演技で思い付くのは、キム・ヨナの「あげひばり」や、ボーツエル・シュトイヤーの「No Holly For Miss Quinn」かな。他にもあると思うけど。不思議に大好きなクワンの演技に、「水」を感じたことないんだよね。ブラック・スワンなど、水を感じてもいいようなプログラムもあるんだけどな…。火や土?が多いかも。天使を表現している「ライラ・アンジェリカ」は、風っぽいけど、ちょっと違うな。なんだろう…。

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(※1)ただし、試合の振り付けをエキシビで採用することは、どの選手にもしばしば見られることで、今思い付く限りでは、ヤグディンもそうだった。したがって、エキシビと競技会の演技の振り付けが似ていることが、必ずしも、余裕のなさをあらわしているとは限らず、競技会につなげる練習、という場合もありえる。ヤグディンは、同じ振り付けを取り入れながらも、全く違う世界観を演じていた。例えば、「Winter」と「Overcome」のように。

それから、マライアのアルバムが発表されたのは1997年だから、発表されてすぐに、エキシビに選んだってわけね。これをもってきた振り付け師のサンドラ・ベジックもすごいな~(サンドラが選んだかどうかは、推測です!)。


(※2)ここで言い訳。いってしまえば、動画リンクやアップも本来はダメなんだよね…。でもさー、開き直っちゃうと(^_^;)、フィギュアの動画って、もう何年も前の一生見ることのできない歴史に埋もれた宝のような、作品になっている演技も含まれていて、そりゃ、撮影したカメラマンにも権利があるし、放映した主催側の莫大な予算が注ぎ込まれて、私たちが今、見ることができるもの。だからこそ、勝手につかっちゃいけないっていうのも分からないではない。でも、見ることのできる期間って限られているじゃない?、私はビットのサラエボの演技なんて覚えていない。昔の五輪のビデオが発売されていたとしても上位者のみであったり、カットされていたり…、NHKのような昔の歴史を振り返る特集だって、そうそう企画されることではない。

だからね、前にブログに来ていたお客様がおっしゃっていたようにね、「百聞は一見に如かず」っていうことわざがあるように、やはり、一度演技を見て、何かを感じ取ってもらってから、私の見解を読んでもらえたら幸いだなって思うのよね…。むずかしい問題ですね~。だから、私は、この動画サイトを見ることができて、本当に幸せだと思ったことが何度もありました。・・・すいません。偉そうにしゃべりすぎました。