先般梅雨期の我が家の庭先を賑わしていた蝸牛等について投稿しましたが、これらが姿を消した今も、共生していたドクダミだけは独りこの世の梅雨を謳歌しています。ドクダミは多年草で、初夏に白い花が開きますが、繁殖は種子にはよらず、白くて細長い地下茎が栄養分を蓄えながら枝分かれして四方に広がっていくのだそうです。その葉や花には光沢が無く、湿った、ひんやりとした場所に異臭を放ちながら群生する様は、不気味な感じさえします。 江戸前期、古名「しぶき」を江戸で「毒(どく)矯め(ため)」、「毒(どく)痛み(いたみ)」に由来する「ドクダミ」と呼んだのが現在の植物名になったのだそうですが、深山や高山などには生えず、人気臭い裏庭や植え込み、裏山など、湿った日陰の場所が群生の場所で、我が国では北海道西南部から沖縄まで広く分布していますが、世界的には、日本、中国、東南アジア、ヒマラヤにかけてしか分布しておらず、ヨーロッパや北アメリカでは、斑入りや八重咲きのものが園芸用に珍重されているそうです。 ドクダミが皮膚疾患などの治療用等の外用に用いられ始めたのは江戸中期だそうですが、その後拡大解釈されて内服されるようになり、現代は代表的な民間薬として、生の葉を湿疹や腫れ物などに外用したり、乾燥させた地上部を「十薬」と称して利尿、緩下剤などに煎じ薬として用いたりしています。さらにお茶ばかりでなく、酒、ワイン、ジュース、蜂蜜や化粧水にまで応用されているそうです