日本の在留外国人数が過去最多の428万人に 外国人労働者の受け入れと共生社会のあり方が課題に
2026年10月16日、日本の出入国在留管理庁は、2026年6月末時点の在留外国人数が428万1,026人となり、過去最多を更新したと発表しました。2025年末と比べて15万5,631人、率にして3.8%の増加です。日本の総人口に占める割合は約3.5%となり、日本社会における外国人住民の存在感は一段と大きくなっています。
## ■ 国籍・地域別では中国が最多、ネパールなども増加
国籍・地域別に見ると、中国が94万1,031人で最も多く、次いでベトナムが69万3,750人、韓国が40万8,682人、フィリピンが36万2,761人、ネパールが33万4,850人となっています。
また、前年末と比べた増加率では、ミャンマーやインドネシアなどの国籍・地域の住民も大きく増えています。外国人住民の出身国や在留目的は多様化しており、都市部だけでなく、地方の自治体や地域社会にとっても重要な課題となっています。
## ■ 永住者、就労者、留学生など、在留目的も多様化
在留資格別では、「永住者」が96万1,342人で最も多く、次いで「技術・人文知識・国際業務」が51万6,184人、「留学」が47万9,626人、「技能実習」が45万7,509人、「特定技能」が44万4,256人となっています。
特に、人手不足が深刻な分野で働く外国人を受け入れる「特定技能」は、2025年末から5万3,960人増加しました。介護、建設、製造、農業、外食など、さまざまな産業で外国人労働者が日本の経済や日常生活を支える存在となっています。
一方、留学生の増加は、日本語教育機関や大学、専門学校、学生寮、アルバイト先など、地域社会との接点が広がっていることも意味します。留学生が学業を続け、卒業後に日本で働く場合には、日本語教育、就職支援、住居の確保などを含めた継続的な支援が必要になります。
## ■ 外国人の受け入れ拡大と、在留管理の厳格化
外国人住民が増加する一方で、日本政府は在留資格の審査や管理の見直しも進めています。
例えば、起業や会社経営を目的とする「経営・管理」の在留資格については、2025年10月に許可要件が厳格化されました。その影響などから、2026年上半期の同資格による新規入国者数は635人となり、前年同期と比べて80.9%減少しました。
また、2026年7月1日時点の不法残留者数は6万5,229人で、同年1月1日時点と比べて3,259人、4.8%減少しています。
こうした数字からは、外国人住民の総数が増える一方で、政府が在留資格ごとの審査やルールの運用を見直していることがうかがえます。ただし、在留外国人全体の増加と、個々の在留資格に対する審査の厳格化は、分けて考える必要があります。
## ■ 地域社会で求められる生活ルールと相互理解
外国人住民の増加に伴い、地域社会では日本語による情報提供、学校や行政窓口での支援、医療や防災に関する案内、住宅やごみ出しなどの生活ルールの周知が重要になっています。
地域によっては、外国人住民の増加により、通勤・通学時の交通安全、住宅事情、騒音、生活習慣の違いなどについて、住民から不安や戸惑いの声が上がることもあります。こうした問題については、具体的な状況を確認し、国籍にかかわらず、誰もが守るべきルールを明確にするとともに、自治体、学校、雇用主、地域住民が協力して対応することが大切です。
一方で、外国人住民の多くは、働く、学ぶ、家族と暮らすなど、それぞれの目的を持って日本で生活しています。外国人住民を一括りにするのではなく、個々の事情や地域ごとの実態を踏まえながら、必要な支援とルールの徹底を両立させることが求められます。
## ■ 今後の日本に問われること
在留外国人数が過去最多を更新したことは、日本が労働力の確保、教育、地域社会の維持、国際交流など、複数の課題に直面していることを示しています。
今後は、外国人労働者を受け入れる制度だけでなく、日本語教育、適正な雇用、社会保障、子どもの教育、地域住民との交流、生活上のルールの周知などを総合的に考える必要があります。
外国人住民の増加を単純に良い・悪いと評価するのではなく、どのような制度や地域の仕組みが必要なのか、具体的な統計や現場の状況に基づいて議論することが重要です。
日本人と外国人の双方が安心して暮らせる社会を実現するためには、受け入れ制度の透明性と適正な運用、地域社会への支援、そして互いの権利と責任を尊重する姿勢が、これまで以上に求められています。