「南京国際委員会は日本大使館に『殺人は49件のみ』と報告した」の真相 | 歴史の超真相ブログ〜教科書には嘘しか書かれていない~

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✳️【殺人49人】
 (前略)それからこれも渡部先生がしばしば言われていることですが、そんな大虐殺をやったなんていう批判は、南京爆撃を批判した国際連盟からも出されていない。また、あのとき向こうでは国際委員会ができて、日本がああいう悪いことをした、こういう悪いことをしたと61通も手紙を書いて各大使館に送っているのです。それには、日本がやった悪いことは全部で622あると書いてあるんですけれど、これをよく読むと大変面白い。もっとも反日的な委員会が、必死になって調べた結果でも、日本がおこなった殺人は49人にすぎないということです。日本はいろんな悪いことをやったとして、「殺人49人」と書いてあるわけです。それがいつのまにか、30万人とか40万人というように何千倍から1万倍にまで膨らんでしまうわけですから、これはまったく白髪三千丈の世界です。(小室直樹) 小室直樹/渡部昇一『封印の昭和史 [戦後50年]自虐の終焉』より


✳️【民間人大量殺人の報告はない】
 小林よしのり 30万人、あるいは4万でも6000でもいいが、虐殺があったと主張するなら、それだけの人口が減ったと証明しえるラーベたちの手紙以上の信憑性を持つ史料を示して立証しなければならない。

 ところが告発側の言う人口統計は、いつ、誰が、なんの目的でまとめたものかまったくわからない!つまり、立証がまったくされていない!

 中国側の弁護士 では、新たな証人を立てます。弁護人が今、最も信頼できる手紙の主…南京安全区委員会委員長のジョン・ラーベです!

 ジョン・ラーベ 日々、繰り返される日本兵の殺人、略奪、傷害、放火のあまりのすさまじさ。

 南京での、あの6ヶ月間の体験を詳しくお話することは、とうてい無理です。24時間あっても足りません。

 中国側の弁護士 …そのようにラーベはヒトラーへの上申書で「日本軍の残虐行為」を切々と訴えています。あの有名な「ラーベの日記」はみなさんもご存知でしょう。南京で一部始終を目撃していた。しかも当時、日本と同盟国だったドイツのナチス党員の証言です。これで有罪は決まりだ。

 小林よしのり いいですか。どれもラーベが残した史料なのですが、「ヒトラーへの上申書」は第二次史料、「ラーベの日記」のほうはリライトされている上、編者も入っているので第三次史料になります。それらがいつ、どこで、なんの目的で書かれたかが問題です。

 まずラーベは「ヒトラーへの上申書」で犠牲者を「5万〜6万」と書いています。これだけでも「30万」という主張は崩れます。

 さて先ほども申したように、ラーベたち安全区委員会は日本大使館に毎日のように文書を送ってますが…これ実は食糧支援要請よりも「日本軍の犯罪」に対する「被害届」のほうがずっと多い。連日出ています。

 では、これを集計すると被害者は何万人になると思いますか?

 実は殺人事件は25件!被害者は49人!「民間人大量殺人」の告発はまったくありません! 小林よしのり『新ゴーマニズム宣言スペシャル 戦争論2』より


✔️【真相〈日本はラーベに感謝すべし〉】
 はいはい、これも簡単に論破できます。

 ラーベは〈ヒトラーへの上申書〉の中で、なんと次のようなことを言っているのです。『南京の真実』から引用します。

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 この講演に先立ち、ひとことお断りしておきたいことがあります。それは、私がドイツで反日宣伝活動をしようとか、「公開の場で」講演をして、中国に対する友好的な気運を盛り上げようとかの考えを少しも抱いてはいないということです。苦難にあっている中国に対しては心から同情を禁じえませんが、まず第一に私はドイツのためを思っております。そして、我が国の政策の「大路線」の正しさを信じているだけでなく、ナチ党員として100%これを支持しております。

 けれども、だからといって、南京で目撃する機会を得た事件の真相について、敬愛する総統閣下、および祖国の首脳陣にお知らせすべきであるという私の考えに変わりはありません。また私がこれからご報告しようとしているのは、公開の場ではなく、内輪の集まりなのです。

 ぜひ申し上げておきたいのは、私は日本人に感謝してもらわなければならないということです。といいますのは、南京難民区の国際委員会が日本大使館へ提出しなければならなかった数多くの苦情や抗議書を出すにあたり、その代表として私は当初から手加減するよう心がけてきたからです。その理由は、ほかでもない、私がドイツ人だからです。ドイツ人として、私は同盟国である日本との友好関係を維持したいと望みましたし、またそうしなければなりませんでした。その結果、親しくしていたアメリカ人の委員会メンバーの間で、「抗議書を発送する前に、ラーベさんに少し手心を加えてもらっておいたほうがいいよ」といわれるまでになりました。それでも、日本大使館宛ての書状が二、三、極めて厳しいものになったのは、日々繰り返される日本兵の殺人、略奪、傷害、放火のあまりのすさまじさに、そうするよりほかなかったからです。
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 というお話でございます。


【ラーベの感謝状とマッカラムの日記】
 また、田中正明〈南京事件の総括〉に次のような記述があります。

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 国際委員会の委員長ジョン・H・D・ラーベ氏は、国際委員会を代表して次のような書翰を日本軍に送っている。(中略)

 「拝啓 私どもは貴下の砲兵隊が安全地区を攻撃されなかったという美挙に対して、また同地区における中国民間人の援護に対する将来の計画につき、貴下と連絡をとり得るようになりましたことに対して感謝の意を表するものであります。」

 以下は金陵大学病院医師マッカラム氏の日記および手記からの抜萃である。これを松井大将の弁護人伊藤清氏が東京裁判の弁護側立証段階で抜萃朗読しているので紹介したい。

○ (日本軍は)礼儀正しく、しかも尊敬して私どもを処遇してくれました。若干のたいへん愉快な日本人がありました。

○ 私は時々一日本兵が若干の支那人を助けたり、また遊ぶために、支那人の赤子を抱き上げているのを目撃しました。

○ 12月31日、今日私は民衆の群が該地帯から中山路を横断して集まるのを目撃しました。あとで彼らは、行政院調査部から日本軍の手によって配分された米を携帯して帰ってきました。今日は若干の幸福な人々がおりました。

○ (1月3日)今日は病院職員の半数の登録をするのに成功しました。私は若干の日本兵によってなされた善行を報告せねばなりません。最近7、8名のたいへんに立派な日本兵が病院を訪問しました。私どもは彼らに病人に与える食物の欠乏を語りました。今日彼らは若干の牛肉を見つけて、100斤の豆を持ってきました。われわれは一箇月も病院で肉なんか食べなかったので、これらの贈物は大いに歓迎されました。彼らはわれわれにほかにどんなものがほしいかを尋ねました。

 このようにラーベ氏は国際委員会を代表して感謝の手紙をしたためており、マッカラム氏は日本兵の善行を日記の中にしたためている。
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 まず、ラーベの感謝状が嘘であることは説明不要だと思います。

 次のマッカラムの日記なのですが、いかにも「作り話です」という感じのとってつけたような印象を受けるのは私だけでしょうか……?

 仮に事実だったとしても、「7、8人のたいへん立派な日本兵」のエピソードをわざわざ書くということは、真逆の日本兵が7、8人とは比較にならないほどいたということになるのではないでしょうか……?

 ところで田中正明はまったく触れていないのですが、伊藤清弁護士の言葉にこういうものがあるんです。

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 「真相は別とし、検察側の証拠は圧倒的であり、世界中にあまりにも悪評が高かった事件でもあり、松井被告には少々気の毒とは思ったが、事実そのものの認否のことは一応に止め、方面軍司令官としてこのような不法行為の防止にできるだけの努力をはらったこと、その部下に直接的責任の地位にあった軍司令官や師団長がいること、ゆえに松井被告に刑事責任まで負わせるべきではない、との方針」
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 伊藤清弁護士は南京大虐殺があったことを認めているんですねぇ……。


【〈南京の真実〉に書かれていることである】 
 最後に余談を1つ。

 小林よしのりが『新ゴーマニズム宣言スペシャル 戦争論2』に引用した「24時間あっても……」というラーベの文章。

 実はあれ、私が先ほど引用したラーベの『ヒトラーへの上申書』の中の文章の、なんとすぐ次に書かれている文章なのです(呆れ)。

 『新ゴーマニズム宣言スペシャル 戦争論2』の参考文献にはラーベの『南京の真実』が載っています。

 よって小林よしのりは私が引用した「私は日本人に感謝してもらわなければならないということです」というラーベの文章を知っているはずなのです。

 それだというのに、なぜ……?

 考えられる可能性は、『南京の真実』は適当に流し読みしただけで、『再審「南京大虐殺」』の内容をただ鵜呑みにしただけだった、というものです。

 小林よしのりは人の矛盾や不勉強をよく罵倒するくせに、自分のことは棚に上げる人なようです。

【まとめ】
 ●ラーベは日本軍の蛮行を手加減して報告していた。

 ●そのことを知っているはずの小林よしのりが、なぜかそのことに触れていない。