2006年公開の日本映画。
Amazonプライムにて鑑賞。
今観ると、後に問題を起こした俳優が4人もいます（誰とはいいませんが）
意外と問題を起こしそうなオダギリジョー（すみません）がノースキャンダルだったりなのがなるほどなあと。
と、映画とは全然関係ない話でしたが、この映画ずっと観たかった作品です。
田舎である故郷を離れて東京でカメラマンとして成功したオダギリジョー演じる遊び人の弟・猛は母親の葬式に出席するために遅れて実家に戻ります。実家で経営するガソリンスタンドは香川照之演じる真面目が取りえで朴訥とした兄の稔が社長となって父親の世話をしながら切り盛りしている日々。二人とも独身で、同じくまだ独身の真木よう子演じる幼馴染の智恵子と三人で渓谷へ遊びに行きますが、智恵子は吊り橋から落下して亡くなります。
初めは事故とされたのに、兄の稔は自分が突き落としたと証言します。弟の猛は現場を見ていなかったと裁判になりますが真実は果たして。。。
これは色々と解釈が分かれますね。私は故郷を捨てて勝手きままに生きる弟に対して「罪」の意識を与えたかったのだと解釈します。私も兄と絶縁状態ですし、両親に対して何もしない兄には「感謝」よりもむしろ頭を下げて「懺悔」をしてほしい気持ちですから。
映画は兄弟の視点だけでなく、小さなコミュニティでの生きづらさも描いています。裁判での兄側の弁護士は父親の（優秀な）兄というこれまた狭い人間関係からなっています。周囲は兄の無実を信じて裁判を進めていきますが・・。裁判での最後の香川照之のふっとした笑顔の表情がなんとも絶妙です。
映画のタイトルは『ゆれる』と曖昧そうですが、吊り橋事件の真実は曖昧ではなくきちんと描かれているのが私的に良かったです。
脇役かなと思って観ていたガソリンスタンドの店員（アルバイトだっけ？）役の新井浩文がいい役どころでした。
ラストの解釈も分かれそうですね。人によっては兄弟仲が「再生」したと思えるのでしょうが、私はやはり兄は弟に「罪」の意識を持たせて対等の立場になったのだと解釈しました。