2023年推し洋画2位:「ウーマン・トーキング 私たちの選択」 | 紫亭京太郎のアメーバ・ブログ

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映画と落語と野球とブログと。
面白き ことばかりの世と 面白く 住みなすものは 心なりけり。

実際にあった事件であることに、身悶えしそうな怒りがこみ上げる…
2010年、世間から隔離されたような土地の、自給自足で暮らすキリスト教一派の村。村人たちは信仰心に厚く、平和で牧歌的な風景が広がっている。
そんな静かな村で、夜な夜な女性が強姦される事件が起きたが、それは時に「悪魔の仕業」とされ、時に女性の作り話であると、村の男たちに否定されてきた。
しかしある夜、襲われた女性が必死に抵抗してレイプ犯が特定され、実際の犯罪であったことが発覚。複数の男が捕まり、保安官によって街へと連行されていった。
村の男たちが全員、裁判を応援するべく街へと出かけている間に、尊厳を踏みにじられてきた女性たちは、自らの“未来”をかけて話し合う。

男たちを赦すのか。
男たちが戻ってきたら闘うのか。
村を去るか。

男達が夜な夜な女性を襲いながら素知らぬふりをし、まるで宗教を楯にするように「それは悪魔の仕業」だと言い繕い、女性たちの信仰心につけこむ悪逆非道に目眩がしそうだ。
被害を受けた女性に対して、それを妄想による作り話と断じて抑え込むその思想・発想は全く理解できないし、共感できるはずもない。
こんな村の男どもは、全員死ねばいいのにと、怒髪天を衝いて目の前が真っ白になって卒倒しそうだ。

野郎共の、下衆を極めた非道ぶりの隠蔽に加担するが如き宗教のあり方に、己の無信心ぶりは満更ではないと思えてくる秀作キラキラ

「ウーマン・トーキング 私たちの選択」
2022年/アメリカ
監督:サラ・ポーリー
出演:ルーニー・マーラ、クレア・フォイ、ジェシー・バックリー、ジュディス・アイビ、シーラ・マッカーシー、ミシェル・マクラウド、ケイト・ハレット、リブ・マクニール、オーガスト・ウィンター、ベン・ウィショー、フランシス・マクドーマンド、キーラ・グロイオン、シャイラ・ブラウン