櫻色 | 紫の言の葉

紫の言の葉

現在過去未来
言の葉拾い言の葉綴り言の葉廻り


ふわりとかおるはごろもの
きぞめしあわきさくらいろ



冬を耐え

まだ色づかぬ

蕾も硬い櫻木が

身に秘めもえる紅だけが


天女に纏う衣に染まる櫻色







なごりの風花に負けず

さき開いた薄紅色は

柔らかくも冷たい風に吹かれる頬に


ごつごつとささくれた幹から

今咲き誇らんと

かたく伸びた枝の先の桜紅色は

懸命に春の息吹に耳済ます小さき耳朶に


澄んだ空と朧な稜線のあおは

未来あすと過去きのうを見詰める瞳に


龍の水は両の手に


合わせて祈る

四社季節巡り