櫻色ふわりとかおるはごろものきぞめしあわきさくらいろ冬を耐えまだ色づかぬ蕾も硬い櫻木が身に秘めもえる紅だけが天女に纏う衣に染まる櫻色なごりの風花に負けずさき開いた薄紅色は柔らかくも冷たい風に吹かれる頬にごつごつとささくれた幹から今咲き誇らんとかたく伸びた枝の先の桜紅色は懸命に春の息吹に耳済ます小さき耳朶に澄んだ空と朧な稜線のあおは未来あすと過去きのうを見詰める瞳に龍の水は両の手に合わせて祈る四社季節巡り