帚木1 長雨の時節 | 桑の実ブログ

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2024年今年もよろしくお願いします

 

帚木(ははきぎ、長野県下伊那郡阿智村園原の檜(ひのき)、帚(箒、ホウキ)とは竹ぼうきのホウキのことですがこの檜は枝を四方に伸ばして遠くから見るとまるでホウキを立てたように見えたそうですが近寄って行くとどれがその木だかわからなくなってしまう不思議な木だったそうです、現在は根元だけが残っています、ヤフー画像から)

 

光(ひか)る源氏(げんじ)、名(な)のみことことしう、言(い)ひ消

 

(け)たれたまふ咎(とが)多(おほ)かなるに、いとど、かかる好

 

(す)きごとどもを、末(すゑ)の世(よ)にも聞(き)き伝(つた)へて、

 

軽(かろ)びたる名(な)をや流(なが)さむと、忍(しの)びたまひけ

 

る隠(かく)ろへごとをさへ、語(かた)り伝(つた)へけむ人(ひと)の

 

もの言(い)ひさがなさよ。
 

さるは、いといたく世(よ)を憚(はばか)り、まめだちたまひけるほ

 

ど、なよびかにをかしきことはなくて、交野少将(かたののせうしゃ

 

う)には笑(わら)はれたまひけむかし。
 

まだ中将(ちゅうじゃう)などにものしたまひし時(とき)は、内裏(う

 

ち)にのみさぶらひようしたまひて、大殿(おほいどの)には絶(た)

 

え絶(だ)えまかでたまふ。
 

忍(しの)ぶの乱(みだ)れやと、疑(うたが)ひきこゆることもありし

 

かど、さしもあだめき目馴(めな)れたるうちつけの好(す)き好(ず)

 

きしさなどは好(この)ましからぬ御本性(ごほんじゃう)にて、まれ

 

には、あながちに引(ひ)き違(たが)へ心尽(こころづ)くしなること

 

を、御心(みこころ)に思(おぼ)しとどむる癖(くせ)なむ、あやにくに

 

て、さるまじき御振(おむふ)る舞(ま)ひもうち混(ま)じりける。
 

 

 

この帖からは大人になった源氏の君が語られます

 

時は過ぎていって源氏の君は17才、お顔もお姿も素晴らしく光る源

 

氏の君と呼ばれなさっていました
 

光る源氏とはご大層なお名前ですが非難される恋愛沙汰も多いと

 

いうのに、ますます好色な色恋沙汰を後世にまで伝えられ軽薄で

 

ある浮名を流されようとは、源氏の君が生前隠していた秘密ごとま

 

で語り伝えた人たちのなんとおしゃべりなことでしょう

 

とは言うものの、当時源氏の君は世間をお気になさり、真面目にな

 

さっていたところなどは好色で名高い交野少将(かたのしょうしょ

 

う、平安時代に書かれた物語中の好色で名高い人物)が知れば大

 

笑いされたことでありましょう
 

まだ源氏の君が近衛中将であった頃は内裏にばかり伺候(しこう)

 

なされ、妻の待つ左大臣邸へは途切れ途切れにしかお帰りになら

 

なかったので左大臣邸ではどこかの女と浮気でもなさっているの

 

かと疑うこともありました
 

しばしば女に言い寄られる源氏の君でしたが、ありふれたひまつ

 

ぶしの恋愛などはお好きではなく、ときたま、ご自分から女に想い

 

つめ恋焦がれるご性癖がおありで、よろしくない素行もないではあ

 

りませんでした
 

続く
 

お読みくださり有難うございました爆笑