のどかの心は、長い間
「人の目」に晒され続けていました。
誰かに評価され、誰かに比べられ、
誰かに詮索される…。
そんな日々の中で、彼女の心は少しずつ硬く、冷たい石のようになっていったのです。

けれど、彼女が辿り着いたこの学校は、まるで森の奥にひっそりと佇む小さな集落のようでした。

そこには不思議な安らぎがあり、
人々は互いを詮索せず、
ただ「ここにいる」ことを大切にしていました。

「あなたはあなた、私は私」

その言葉は境界線ではなく、柔らかな布のように人々を包み込み、安心を与えていました。

校舎の中は自由そのものでした。
髪を七色に染めた生徒が廊下を歩き、階段教室の隅では仲間たちが小さなコンロを囲み、肉や野菜を持ち寄って鍋を煮込んでいたりもしていたのです。

湯気の向こうで笑い声が弾け、沈黙さえも心地よい音楽のように響いていました。

誰も無理に近づこうとせず、
誰も遠ざけようとしない。
ただ同じ空気を吸い、
同じ時間を過ごす…

その「感覚」は、のどかの心を
少しずつ解きほぐしていきました。

最初は戸惑いを覚えた彼女も、日々を重ねるうちに、仲間たちの笑顔や沈黙に癒されていきました。

人と人の間に流れる静かな絆を感じることで、
硬くなっていた心は
新しい形に編み直されていったのです。


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