米連邦準備理事会(FRB)次期議長にジャネット・イエレン副議長が就任することが決まった。
「イエレン氏は金融緩和に理解を示すハト派。緩和縮小は慎重に進めるだろう」(シティグループ証券の清水麻希氏)
「米金融政策の不透明感が払拭され、株価や商品価格にプラス」(東京海上アセットマネジメント投信の平山賢一氏)
イエレン氏は労働市場や経済への打撃が大きい失業の回避を重視し、伝統的な枠組みにとらわれずに金融政策を運営する立場を取る。市場関係者から圧倒的な支持を得ており、米国では数百人のエコノミストらが連名でイエレン氏の推薦状を大統領に提出したほどだ。
金融緩和に積極的な「ハト派」のイエレン氏に白羽の矢が立ったのには理由がある。
その一つは危機対応のための金融政策を、円滑に平時モードに切り替えることだ。いま、FRBは量的緩和策の縮小開始を探っているが、市場に供給されるマネーが収縮する懸念から、投資家の動揺が収まらない。5月にバーナンキ議長が緩和縮小に言及したのをきっかけに、金融市場では新興国などから資金を引き揚げるリスク回避の動きが止まらなくなった。
もう一つはここにきて米財政問題が景気を下振れさせるリスクが高まっていることだ。米国では深刻な議会対立で予算が成立せず、今月から政府機関が一部閉鎖を余儀なくされている。さらに債務上限の引き上げ交渉も難航しており、米国債の信頼が揺らぎかねない。
(10/10日経朝刊から抜粋)