就活解禁3月を批判する | 村山涼一のマーケティング備忘録

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 大学生の就職活動の解禁時期が、2016年卒から大学4年生になる直前の「3年生の3月」になる。



 新日程では、会社説明会などを始める就活の開始時期が現状の「3年生の12月」から4年生になる直前の「3年生の3月」になる。筆記試験や面接など、選考活動の開始も現在の「4年生の4月」から8月に遅らせる。内定を出す時期は10月と現状と変わらないため、企業の選考は短期化する見通しだ。



これは、2014年卒が自分と適社との齟齬に苦しんでいる4月が8月にずれることを意味している。とすると、現状の夏採用も秋採用もなくなるのだから、一発内定を狙わなければならないということを意味する。



 今後、経団連が「倫理憲章」で新たな日程を定め、賛同する加盟企業がサインする運びだ。新スケジュールが企業に広く行き渡れば、大学関係者らが求めてきた「大学3年生までは学業に打ち込む環境」が整い、就活との両立が可能になる。



果たしてこうなるのだろうか。一発内定となっても大学生が準備を前倒しにすることはないだろう。また大手偏重も大学生の無知からきているものなので、改善されることはない。とすると、中小志向をかなり訴求しないと、ますます多くの未内定者を生むことになる。



 ただ、新たな日程はあくまでも経済界による自主ルール。経団連の現在の「憲章」にサインする企業は830社にすぎない。経団連の米倉弘昌会長も「みなさんが守れる制度を作らないといけない。政府からも指導してもらいたい」とする。サインしない企業は拘束されないため、外資系企業の「青田買い」などで、ルールが形骸化する事態を懸念する声もある。



足並みがそろわないとすれば、結局、絵に描いた餅になるのではないだろうか。いちばん怖いのは、ゆとり教育のように、やってみたけどダメだったということで、元に戻るケース。大学生は適社が探せず、経験から調整するしかない。つまり、就活に時間がかかるのだから、結局、迷える子羊を増やすだけ。うまくいかないのは目に見えている。



 中小企業を中心に就活の短期化に対する不安の声も出ている。計測機器メーカーのマウンテック(東京・新宿)の横山雄高社長は「(採用活動は大手の後になるため)今以上に時期がずれこむと採用がますます厳しくなる」と見る。「就活日程を後ろ倒しにした場合、新卒の採用総数が最大で6.9%低下する」(リクルートワークス研究所)との試算もある。



この意見は的を射ている。なぜこういう現場の声を聴かないのだろう?いやいちばんは、なぜ大学生、それも就活に苦労した人たちの意見を聞かないのだろう?



 内定率の低下を防止する具体策としては、インターンシップ(就業体験)制度を拡充して学生が企業を研究できる機会を増やすことなどが考えられる。地場中小企業の採用担当者が地元の大学に出向いて説明会などを開く「オンキャンパス・リクルーティング」も中小と学生のマッチング策として期待できる。



企業に頼らず、大学がしっかり適界と適社発見指導をすればいい。またキャリアセンターにもっと就活に熟達し、しっかり指導できる人を置くべき。そんなこともやらないで、机上で考えたことを実行するのはナンセンス。それならば就活を前倒しして、内定をとってからじくり勉強できる体制をとった方が大学生のためだろう。