2014年春の入社を目指す学生の就職活動で、企業へのエントリーシート提出がピークを迎えている。昨年、就職難を背景に高まった中小企業人気が一変、大手志向が鮮明だ。今春卒業予定者の内定率が改善したことに加え、景気の改善期待が高まっているためだ。もっとも大企業は新卒採用に総じて慎重な姿勢を崩しておらず、採用のミスマッチが生じる可能性がある。
医療用具メーカーのアルケア(東京・墨田)の学生のエントリー数は前年比で約7割の水準にとどまっている。前年はすぐ満席となった2月の会社説明会も今年は平均で2割程度が空席。自然環境を人工的に再現する環境試験機メーカーのスガ試験機(東京・新宿)も学生のエントリー数は前年比で約7割台だ。
採用支援のレジェンダ・コーポレーション(東京・新宿)の調査によると、従業員数500人以下の企業で「前年より採用に苦戦する」と回答したのは前年比13.1ポイント増の62.0%。一方、2001人以上の企業で苦戦するとの見通しは34.4%で前年比35.8ポイント減。就職情報のマイナビ(東京・千代田)の三上隆次マイナビ編集長は「学生の大手志向が再び高まりつつある」と指摘する。
リーマン・ショック後、政府や大学などは学生の中小企業への就職を後押し。その効果もあり、中小企業に就職を希望する学生は急増した。リクルートワークス研究所(東京・千代田)によると、13年春に就職する学生で中小企業を志望した学生は、大企業を14年ぶりに上回った。しかし14年春は大手志向が再び優勢になりそうだ。
もっとも大企業の採用事情は依然厳しい。レジェンダ・コーポレーションによると、14年春入社の新卒採用目標数が「前年を上回る」と答えた大企業は21.9%。「前年を下回る」の25.0%に届いていない。