なぜ内定が取れないのでしょう。これに対してはいろいろな問題点があ
りますが、ネットエントリーも問題のひとつであると、日経11/4の朝刊
では言っています。
『就職人気ランキング上位のJTBグループには毎年、約8万人の学生
がエントリーする。実際に必要書類を出すのは「全体の3割」(人事担
当者)、来春入社できるのは550人。狭き門だ。
インターネットで申し込み、エントリーシート提出や適性検査を経て
面接にたどり着く現在の就活の仕組みが確立したのは2002年ごろ。皆が
アクセスできるネット就活は志望企業への門戸を広げ、公平なスタート
ラインを用意した。
それまで郵便や電話で会社案内や説明会の日程を伝えていた企業にも
大きな恩恵をもたらした。「印刷代や通信費、データ管理の負担が減っ
た」。就職情報大手「マイナビ」編集長の三上隆次は振り返る。だが落
とし穴も生まれた。
「この条件に合う学生を選んでほしい」。採用代行のトライアンフ
(東京・渋谷)には各企業からエントリーしてきた学生を絞り込む依頼
が相次ぐ。
学部や専攻、筆記試験、適性検査の結果などから面接可能な人数までふ
るい落とす。志望が集中する企業では最初の関門で企業自身の目に触れ
ない学生も多い』
ネットエントリーは大学生の手間やお金を減らしましたが、反面、応募
をしやすくしたせいで、大学生の怠慢も引き起こしてしまいました。
また応募が多いので、選考をアウトソースするようになった結果、大学
生のふるい落としをするようになりました。
そして大学生に下記のような就活をさせることになってしまったのです。
『「有名企業ばかり数十社受けて全滅。ダメな就活の典型だった」。横
浜国立大学大学院の修士課程を今春修了した近田英樹(27)の就活は2
年に及んだ。
昨年はトヨタ自動車など製造業を受けたが最終面接に残れた会社は無か
った。今年は専攻の教育学や適性を考え抜き、人材開発会社から内定を
得た。「自分の軸がなければネットに振り回されるだけ」と話す。
マイナビによると来春卒業・入社予定の学生1人がエントリーした企
業は平均で69社。だが実際の選考過程に進んだのは11.4社だ。ネット上
に並ぶ有名企業に志望動機も定まらずに応募、面接にすらたどり着けな
い学生の姿が垣間見える』
簡単にネットエントリーできますから、とにかく、めくらめっぽうに数
を打つ。しかし2、3月の60日程度しか就活期間はないのですから、そん
な戦法にはムリがある。ですから、結局、どこにも受からないで、時間
だけが過ぎるのです。
そして大学のキャリアセンターは嘆きます。
『中堅大学の就職課は「うちの学生を採用する気がない有名企業はエン
トリーを受け付けないでほしい」と本音を漏らす。
昨年から大手の採用活動開始が2カ月遅くなり、就活は短期決戦になっ
た。時間のロスは致命的になりかねない』
そこで、新しい取り組みを大学ははじめました。この東洋大学の取り組
みは、いいと思います。
『10月中旬の東洋大学。まだ内定がない4年生44人が、商社や教育関連
など業種が異なる中小12社の社長らと向き合った。
数人のグループに分かれた学生は1社18分、12社で計3時間半の「全社
強制面接」に臨む。
参加した多田健人(21)は「実際に話を聞き、これまで関心がなかっ
た磁石を作る機械メーカーや技術職に興味を持った」と話す。学生の視
野を広げる取り組みに大学も手応えを感じている。
「面接やOB・OGとの面会を重ねるリアルな就活が必要」。キャリ
ア形成に詳しい小島貴子・東洋大准教授は指摘する。
「企業は求める人材を具体的に示してほしい。ミスマッチも減る」と注
文をつける』
私の結論はいつも同じですが、適社をみつけないで就活をするから失敗
する。ネットエントリーなどがなかった頃は、お金も手間もかかります
から、大学生はもっと真剣に企業選びをしましたし、OB、OG訪問もして、
情報をたくさん持っていました。
イノベーションが悪いと言っているのではありません。しかしイノベー
ションは恩恵を受けるべきものであって、それによって改悪されてはし
ょうがないと言いたいのです。