ムパタサファリクラブのサファリドライブは
6~9時の3時間 15時~18時半の3時間半とアンボセリに比べ長め。
9月19日(日)午後 マサイマラサファリドライブへ
サファリドライブ30分前になると、さっきまでの晴天が嘘のように黒い雲が現れ、
大粒の雨が降り出してきたのです。そしてみるみる雨は強くなりました。
あ~あ、青空のもとでサファリしたかった。
動物たちをあれこれ見ながらサファリも中盤にさしかかった時、無線が急に慌ただしくなり、
ドライバーのジャイロスが「ヌーが川渡りを始めた!!」と言うのです。
あの有名なヌーの大移動で見られる川渡りです。
草を求め約150万頭ものヌーが毎年タンザニアのセレンゲティ⇔マサイマラを移動し川を渡る、
あの迫力ある光景が生で見られるなんて!うれしい!!
「つかまって!」と猛スピードで川へ向かうと、そこにはおびただしいのヌーの群れが
川岸に押し寄せていました。
一頭が意を決して川に飛び込むとそれに続いて後から後から渡ります。
この時、崖から怒涛の勢いで押し寄せるため転倒して圧死や溺死をするヌーも多いそうです。
川を渡りきったヌーはその勢いのまま、一直線に走り出します。
「かっこいい!!」思わず出てきた言葉でした。
ヌーのその外見からどうもヨボヨボに見えて仕方ないのですが、
この時ばかりはそのスピードと躍動感溢れる姿に見とれてしまいました。
川を渡って走り出したヌーが、なんと引き返して対岸を見ています。
続いて来ない仲間や家族を待っているです。そこには唸るような低いヌーの鳴き声。
多くのヌーが命を落とし、それを知らずに探しに川を戻るヌーもいるそうです。
これは後日の写真ですが、命を落とした無数のヌーを食べるアフリカハゲコウやハゲワシ。またワニもいます。
口ばしも顔も赤く染めながらヌーを貪ります。
こうやってすべての命がつながっているのですね。
近年の異常気象でヌーの川渡り時期は毎年のように違い、予想できなくなっているそうです。
まだ乾期のはずのマサイマラですが、今年は9月に入り雨期に入ったかのような異常な雨続き。
2009年は干ばつ。異常気象はやはり全世界に影響を及ぼしているのですね。
しかしこの雨の匂いがヌーをマサイマラに呼び戻しているのだそう。
雨のサファリに少し落胆していましたが、この雨が私たちにヌーの川渡りを見せてくれたわけです。
ヌーの川渡りを見終え少し走るとメスライオン
すると「もうすぐハンティングが始まる!」とジャイロス。えっ?本当に!?
川渡りを終え体力の消耗したヌーを狙っていると言うのです。
しかし一向にハンティングは始まらず、ライオンの姿も草に隠れて確認できないためその場を後にしました。
残念ですがそう簡単にハンティングが見られるわけないかと思っていると、
無線がライオンのハンティングを告げたのです!えぇ~もう少し待てば・・・
せっかくなので、戻って仕留めたヌーを見ることに。
それもそのはず、なんとまたハンティングするというのです!!
ハッと気づくと前方にはハンティングポーズでヌーを狙うメスライオン。
先ほどからの雨で空には稲光が走り不気味な雰囲気。
ここからはもう、息を飲んでライオンの様子をじっと見つめるものの、興奮と緊張が頂点に達し
いったいどれ位の時間が経過したかも覚えていません。
勢いよく飛び出すライオンと逃げるヌー。
しかし疲れ切ったヌーはすぐに追いつかれ、背後から跳びかかったライオンの鋭い爪がヌーのお尻を捕えます。
力尽き倒れた後もしばらく離しません。
完全に息絶えたようで、ようやくヌーを離しました。
この後ライオンはこの場に粛々と留まっていました。百獣の王の貫禄を見せつけられたようでした。
目の前でハンティングを見られるなんて信じられない。
この一部始終を見終えると、同乗していた日本人ご夫婦とハイタッチで高揚した気持ちを分かち合いました。
これまでテレビで目にしたハンティング。時にはどうか逃げきって!と哀れむ気持ちもありましたが、
実際目の当たりにすると一部始終をただただ見守るだけ。そういった感情は一切わきませんでした。
無事に川渡りを終え安堵していたヌーに襲いかかるライオン。
無常のようですが、きっとそうでもないとそう簡単にハンティングは成功しないのでしょう。
ライオンもヌーも同じように生きる為に必死なのだから。
毎日出かけるドライバーでさえ、月に1~2回見られるかどうかのハンティング。
そんな確率のものをまさか見られるなんて。
一度は諦めその場を離れたことが結果的にはよかったのです。
そこに居ても肉眼で確認できるハンティングは見られなかったし、その後戻った場所はかなりハンティングの場に近かったのです。
「very very lucky!」とジャイロスも喜んでいました。
そして興奮冷めあらぬままロッジへの帰路。
どうも見慣れない川が流れ、今回は川にまで案内してくれてるんだわ!と思ったのも束の間・・・・
そんなのん気なことじゃない。橋がない!!
どうやら上流ではゲリラ豪雨が降り、橋の上まで水位が上がった川が轟々と音を立て激しく流れてるのです。↑ かわいそうなことに赤ちゃんを背負ったマサイの女性までも足止め(上写真奥左から2番目)
だって本来の姿はこれです ↓ (翌日の橋:これでも水位が高い方)
サファリを終えてロッジに戻る車がここで何台も足止め。
ジャイロスは車から降りドライバー同士何やら話し込んでいますが一向に戻ってきません。
30分・・50分 水位が減るのを待っているだけ?そして19時過ぎ。辺りは暗くなってきます。
最初は笑い事で同乗しているご夫婦と盛り上がっていたのですが、このまま車で朝を迎えるのか、
どこか別のロッジに泊まらせてもらえるのか、トイレに行きたくなったらどうしようetc.と不安に。
1時間が過ぎ、もうすぐ真っ暗闇が訪れます。その時、時間的にもう限界と判断したのか
先頭の車が渡り始めたのです!!頼りになるのは見えない橋を照らし出す、対岸のバイクのライトだけ。
「えっ?!渡るの!!」ようやくジャイロスが運転席に戻りましたが
「さあ行こう。」と特に状況説明などはありません。
前の車が1台2台とゆっくりゆっくり無事通過。
自分たちの番となると心臓はドキドキ。
この状況はさすがに危険だと、万が一横転した場合を考え、すべての窓を全開にいざ!
誰も一言も発しません。この短い橋がこんなにも恐怖で長く感じるなんて、全身に力が入っていました。
「Good job!!」拍手が起こり一気に緊張の糸がほぐれました。無事通過したのです。
ジャイロスも「これはヌーの川渡りだね!」なんてジョークを言い出しました。
後に聞くと、4年前に豪雨で一度橋が決壊したことがあるが、
普段は雨期であってもこんなことは起こらないそうです。
これも異常気象から来るもの。自然の力を前に成す術がないと本当に思い知らされました。
ヌーの川渡りにライオンのハンティング、おまけに自分たちまで川渡り。
この半日でまさかと思う出来事が次々と起こりました。こんな連続まさに千載一遇。
一生忘れることのできない、アフリカならではの思い出が深く胸に刻まれています。
次回 サファリドライブの続きです。







