日経新聞 YAZAWA 60 12/26 vol.2 オーストラリア事件 | 矢沢永吉激論ブログ

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オーストラリア事件

 

矢沢は87年、現地法人を設立。スタジオや音楽学校を核にした26階建てビルの建設に乗り出したが、バプル崩壊で延期。

 

矢沢マネーに食指を助かしたのが現地責任者と東京事務所の金庫番だった。2人は予定地を担保に入れ、勝手に別の不動産事業に投資して失敗。

 

用地は差し押さえられ、売却されていた。銀行レターヘッドや支店長サインまで偽造した巧妙な手口。

 

詐欺、横領、公文書偽造など73件で起訴。豪州犯罪史上、被害額2位(当時)の大型詐欺事件に発展した。03年。2人の有罪確定。

 

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「よくぞこれだけ俺(おれ)の周りでポンコラポンコラ起きるなってありましたもの。極め付きはオーストラリアでパコーンとやられましたよね」。ゴールドコーストを舞台にした詐欺事件である。
 

「(被害額)35億円だから。ギブアップですよね。普通もう立ち上がれないじゃないですか」銭こそが正義。銭さえあれば正義も悪魔も全部買える。

 

「昔よくお金のこと言ったじゃないですか。あこがれだったんだね。それとかけ離れた幼少時代を送ってきたから」。

 

その矢沢に詐欺被害という現実。しかも友人と側近の裏切りである。

 

「髪の毛抜けなから、過呼吸の手前ぐらいまで、精神的にそりゃあ、なるじゃないですか。はめたヤツが許せない」。

 

身がよじれるような憤り。苦い酒。「自分に対しても悔しかったし」。深い自責。世間の好奇の目が肌に刺さるようで、妻と子ども3人を連れ、米国に移住した。自壊寸前の矢沢の心に、妻のひと言がしみた。

 

あなた知ってる?人を恨まば穴2つって。

 

「人を恨んでばかりいても、解決しないってことよ。自分も2つ目の穴に落ちるよ。陥れた連中は忘れて、借金は背負って、返してということを、彼女は言いたかったんじゃないの」