bridge vol.49 2006/8 vol.4 「僕はすごい進化をしてる頃だね」
-そうなんですよ。この時期のアルバムって永ちゃんのエネルギーが強すぎるんですよ。
「そこへ持ってきて一個一個ミックスダウンでEQで全部立ち上げていってるから、多分リスナーがついてこれなかった。リスナー不在だったかも。
だけどね、こんなこと言ったら、矢沢カッコよすぎるかもしんないけど、世の中ですごいことやった奴らって一回突っ走った奴ら、多いと思うよ。大衆無視してさ。ちょっと自惚れだけど」
-(笑)。
「もし僕がみんなに受ける曲とアレンジを時代にちゃんと合わせてやってたら矢沢いなかったんじゃないの。だから『永ちゃんどこに行くんだよ』って、その行ってた時間は絶対必要だった。わかるでしょ。僕だって思ったことあるわけさ。
俺の音楽、もっと評価されたっていいじゃないって。アレンジでもヴォーカルの艶感にしてもこんなにいい音楽やってるのに。
人にもよく言われるの。でも、評価されてないわけでもないなって考えたのがつい最近。こうやって34年なんだかんだ言って百万枚とかバカ売れはしないけど、何十万は絶対売れるわけじゃない。それで俺のファンは矢沢がいい曲書いてるって知ってんのね。
これでいいのかなって。バカ売れもするわ、評論家も手放しに褒める、みんなが矢沢永吉をいいよっていう。それ、嘘だと思うんだよ。
『永ちゃんどこ行っちゃうんだよ』って渋谷陽一が言った。どっかの評論家も、矢沢すごいのはわかるけど、ハッキリ言ってオナニーだよねって言う。
そんなこと言われながら武道館のチケットは即完で売れる。あの人不思議だねって。みんな思ってたんだよ、あいつ消えてないよねと。それが答えじゃないの?
何でこんなこと考えたかっていったら、俺から見てクソみたいな奴がボンボン売れてるわけよ、ハッキリ言って(笑)。わかるかね?」
-はい(笑)。
・・・続く