矢沢永吉が木原さんと会った頃 「成りあがり」 | 矢沢永吉激論ブログ

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この記事のコメント で、ノーバディの名前が出たので成りあがりを読み返してました。矢沢永吉が木原さんと出会った頃の話です。


P118

そのうち、藤田が、木原(敏雄)を連れてきたんだ。

学生時代で、友だちだったの。


「矢沢、実はギターの天才がいる。

矢沢のことを話したら、一回本牧に遊びに行きたいって。

明日ぐらいに来るけど、話してやってみてくれ」


藤田は、オレの計画を知ってるから協力してくれてるんだ。

探してるわけ、次のパンドのメンバーを。


木原のアホが来たよ。来ました。
オレ、「炭」だと思ったもんね。キハラ、炭! 顔、まっ黒でさ。
挨拶、よかった。「ドーモ」
オレ、『スローダウン』すぐやった。


木原、ぶっ飛んじゃったわけよ。

その前から藤田にきいて知ってるしね

「矢沢って、すごいボルテージ高いやつがいる。曲も書いててスゴイ」と。


彼にしてみれば、オレに会うって目的もあったけど、てめえの友だちの藤田がいるから遊びに来たんだろう。

それが、『スローダウン』ぶつけられて、ぶっ飛んだ。


すぐに話をしにきた。
「あんたが矢沢っての?」

「あんたが木原?」

「そう。タメ齢(同年齢)?」

「タメ齢」ってわけで、藤田が聞に入っててさ。
「矢沢、曲聞かせてやれよ」「オッケー」
オリジナルの曲をやった。


「たまんないね。こんな曲書くやっもいるんだねえ」
大成功。オレ、木原に切りだした。
「オレとやる気ねえか?」
「いやあ、矢沢がオッケーだったら、オレ、ぜひやりたいよ。オレでよければ、やらしてくれよ」


木原を入れてやってみたら、また、すごい。木原のやつチョーキングやるわけよ。

バヒュウウウン。
「何、それ??」
「チョーキングっていうんだよ。知らないの」
木原は、藤田よりも、まだずっと格上なの。


アドリブも、いままでオレの知ってた山田なんかと段違い。

木原、ギュイーン。

山田、トコ、トコ。

いま考えたら、最悪に近かったけどね。


天才じゃ。

天才がオレのそばにきて、オレの夢を全部理解してくれてる。

「やれる」。


木原のパカがきて、大パカが三人そろったわけよ。

広島からのオレの夢が、かたちになってきた。



成りあがり


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