タワーレコード 「オーストラリア事件が気づかせてくれたもの」 | 矢沢永吉激論ブログ

矢沢永吉激論ブログ

全国矢沢永吉激論学會集団。

オーストラリア事件が気づかせてくれたもの
自分の足で立て、ということ


もちろん僕だって今まで全部が順調だっだわけじゃない。
だとえば1998年にオーストラリアで裏切られて負債を抱えだときには、
完全に終わりかと思いましだよ。

あのときは本当に落ち込んで、ずっとヤケ酒を飲んでました。
でも一週間それを続けると徐々に飽きちゃう。
だんだん我に返ってくるわけです。

ちょうどその時にカミサンやマネージャーが言ってくれだんです。
「今の矢沢なら返せない金額じゃない。
地獄を見るくらい大変だろうし、
何年かかるかわからないけれど、やろうよ」とね。
それがすごくタイミングがよかっだ。

僕が

「本当?」と聞いだら、
「本当だよ」って言うんだ。
たぶん嘘だっだんじゃないかと思うんだけれど(笑)。

でも、馬の前に人参下げてとにかく走らせるしかないわけだからさ。
で、この馬がまだ単純だからね。
「今のボスなら返せます」
「本当?」
「本当です!」
「わかった!」って、
走り出しちゃったんだな(笑)。

でも今は、夫婦で
「あの事件はあの時でよかったよね」とよく話すんです。
当時は12年後にこんなことを人前で言えるとは思ってもいなかった。

考えてみると、誰だって、
人生に修羅場の一回や二回はないわけがない。

それはその人の大きさに比例しているんです。
100万円稼ぐ人は100万円、
10億円稼ぐ人は10億円の修羅場。
誰にでもその人なりの修羅場がある。

そしてその修羅場でどうするか?
ギブアップするのか?
乗り越えるのか? 
乗り越えさせてくれる何かやパートナーはそばにいるか? 
耳にささやきは聞こえてくるか?
そういうことが問題になってくる。

できれば誰かに
「おまえならできる」
と耳にささやいてほしいよね。

僕には死んだ親父がついてくれていると思ってる。
こんなことを言うから宗教とか言われちゃうのかな(笑)?

でも僕は、
それもイマジネーションの一つなんじゃないかと思っています。
結局は自己暗示をかけるということも含めて、
「お前自身が立ち上がれ」
ということなんじゃないかな。

だからあのとき、
僕を立ち上がらせてくれたカミサンや
マネージャーには感謝しています。
その時は嘘だっだかもしれないけど、
それでよかったと思うんです。

あの時みんなは僕の目を覚ましてくれた。
まず自分の足で立てよ、とね。
そうじゃないと、やっぱり何事も始まらないんですよ。



オーストラリア事件については「アー・ユー・ハッピー?」に詳しく書かれています。
アー・ユー・ハッピー? (角川文庫)