新星堂 DROPS 矢沢永吉インタビュー 3 | 矢沢永吉激論ブログ

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『TWIST』の1曲目、2曲目のグルーヴ感は、ぶっ飛びモノです。
伺ったところによると、海外のミュージシャンも参加していると?


●なぜドラムとベースだけは、
海外のミュージシャンにお願いするのかと言えば、
グルーヴです。

ドラムとベースは音の心臓ですから、
これは本当に申しわけございません、
日本とはまだ10年の差がある。
へたすりゃ勝でない。
だけど良く聞いてください、
リスナーはそんなところでは聴いていません。

そんな勝つだ負けるだ差がどうしたなんてことは聴いてません。
楽曲で聴いてるから。
だけど僕のどうしても避けられない
ミュージシャン・プロデューサーとしての立場から言えば、
あそこ・までのグルーヴは、アメリカにしかないんですよ。

『TWIST』にしても「ROCK'N'ROLL」にしてもなぜグルーヴが良いかと言えば、
それはロサンゼルスだからなんですよ!!
残念だけどあの連中使わないとダメなんです、
必要なんですよ。

もちろん彼等を使わなくても日本のマーケットでは成立するんです。
問題なく成立するんだけれど、僕は嫌。
それは譲れない。
プロデューサーとしての僕の音に対する思いがある。

そのかわり「アメリカだね」と言うのがないように加工します。
とにかく洋楽にしないように洋楽にしないようにと、
ミックスしてます。
ミックスダウンは絶対日本人にお願いする。

あの抜けの良いウェストコースト・サウンドはNO Thank you。
フレーズでもそうです、

ベースでも格好良いフレーズばかりじゃ嫌なんですよ。

だからプレイヤーに言います。
あくまでプリプロのラインを大切にしながら、
あなたのフィーリングを入れてみてくれって。
これ見よがしのプレイは要らないんです。
欲しいのはカッコイイグルーヴ!!

その証拠に「ROCK'N'ROLL」はいまだに売れ続けてます。
多分まだ口コミで広がってると思います。
じわじわといってる。

従来の僕のファンだけが買ってるとは思えない。
若い連中が買ってるんですよ。
もちろん去年の夏フェスの影響もあるだろうけれど、

皆言ってると思いますよ、

「この「ROCK'N'ROLL」のグルーヴ最高だよね!」ってね。
そこのところで僕が
「どうだ、洋楽ってすごいだろう!?」

という加工の仕方をしたら、
ここまでは来なかったと思いますよ。

『TWIST』もドラムとベースはアメリカ人使って演ってるけど、
加工の段階で「We are friendly」「仲間!」というのが絶対あるから、
「すぐ側で演ってくれてるよね、永ちゃん」というのがあるからね。


結果、キャッチーでボ一カルがストーンと聴けて、
グルーヴだけはプリプリいわせるようなモノが出来たよね。

ゾクッとするようなフレーズはあるけれど、決して押し付けじゃない。
押し付けて洋楽にしちゃうと、違っちゃうんだね。

その辺の駆け引き、兼合いは相当意識してるんですよ、実は。
最近僕は分ったんだよね、
音楽のみならすどんなことでもそうだけれど、
ヤッパリここは「JAPAN」だから、
日本でクッとくる「おいしさ」というのは、
絶対キープしなきゃダメです。



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