第584話 〝ポルシェーミの一件〟
表紙はクロコダイルとMr.1

柱に縄で縛られたルフィ
ルフィ「離せ!!!おれは何も言わねェぞ!!!」
ポルシェーミ「クソガキ………!!」
大木づちを振りかざし他の船員が焦る
「ウ…!!」

ドカァーン!!!
「!!!」
ゴミ山にある小屋内で大木づちの衝撃音が鳴り響く

大木づちに押し潰されているルフィ
ルフィ「……………!!」
むくっと起きて船員が絶叫
ルフィ「だからおれはゴムゴムの実を食った」
船員「ギャアアアアアア~~~!!!」
ポルシェーミ「………」

ポルシェーミ「……〝悪魔の実〟か…これは本物だな」
「〝グローブ〟持って来い」
船員「!?」
ポルシェーミ「いいかクソガキ お前の友達エースが盗んだのは ウチの海賊団の大切な金だ………」

ルフィをロープで吊し上げる絵
ポルシェーミ「お前はその在り処を知ってる だから教えてくれ…!!」

ドカッ!!
ルフィ「!!!」
トゲ付きグローブで殴りルフィは流血

ビチャ!!
血しぶきが飛ぶ絵
船員「…………!!効いた!!」
ポルシェーミ「海賊を怒らすモンじゃねェ… ウチのブルージャム船長はそりゃあ人でなしなんだ…」
ポタポタと血を流し泣きながら歯を食いしばるルフィの絵

ルフィ「ぎゃあああああ!!!痛ェよォ~~~!!怖ェよォ~~~!!!助けてくれ~~~!!!」
ゴミ山にルフィの泣き叫ぶ声が響く
ポルシェーミ「お前らエースとサボを捜しに行け」
船員「は…はいっ!!」

場面変わりコルボ山と〝不確かな物の終着駅〟の「中間の森」
サボ「急げ急げっ!! ポルシェーミ達がここへ来たら終わりだ!! 早く宝を他所へ移すんだ ルフィの奴が口を割るのも時間の問題だ!!」
慌てて金や宝を持ち出すサボとエースの絵
サボ「ここに来られちゃ今回の盗品だけじゃなく おれ達の5年分の海賊貯金が全部奪られちまう」

コルボ山の一角で人捜しをする男二人組とホームレス集団
帽子の男「〝エースとサボ〟を知らねェかって? お前ら町の不良だろ…やめときな あの2人に関わんのは」
子連れの男「チビだからってナメちゃいけねェ あいつら虎でも食い殺す狂犬だ…!!」
小刀を持った男「エースとサボかァ…見ねェな… そんな事より兄ちゃん達……… ちょっと金目のモン置いてけよ」
不良二人焦る「!!?」

夕日の絵
エース「…気がつきゃ夕方か… ……よし終わった!! 宝は全部移動させたぞ!!」
岩上にある大木の下にエースがいる絵

エースのいる岩下を必死に走るサボ
サボ「ハァ ハァ… エース!!」
エース「―――サボ!どうだった?あいつら向こうに金 探しに来てたか!?」
サボ「ハァ…ハァ…………いや来てねェ!!探しになんか来るわけねェんだ!! あのルフィって奴……!!……!!!ハァ…!! まだ口を割ってねェんだよ!!!」
息を切らしながら話すサボと驚くエース
エース「…え!?」

場面変わりグレイターミナル説明の地図の絵〝海賊の入り江〟

ブルージャム海賊船の絵
ブルージャム「遅ェなァ オイ… 今日の責任者は誰だ?」
船員「ポルシェーミの野郎ですブルージャム船長!」
ブルージャム「もう日が暮れるぞ…… いくら何でも換金は終わってんだろ……!! あの野郎金持って逃げたわけじゃあるめェなァ……」
船員「いやァまさか……」
ブルージャムは歯並びの悪く変な髪型

場面変わりボコボコにされるルフィの絵
ドカッ!!バキィ!!!
ポルシェーミ「いい加減吐きやがれ!!!ハァ…ハァ…」
息を切らし怒鳴り散らし殴るポルシェーミとそれを止めようとする船員
船員「ポ…ポ…ポ…ポルシェーミさん…!!もう無駄ですよ…!!!」
血だらけで泣くボロボロのルフィの絵
船員「………!!コイツ…叫ぶ気力も失ってます ……たぶんもう何も喋らねェし…正直ムゴくて見てられねェ……!!」

ポルシェーミ「ガキをかばうヒマがあったら エースとサボを捜して来い!! 命が危ねェのはおれ達なんだよ!!」
部下の船員を殴り飛ばすポルシェーミ

それを見ていたゴミ山住人
「……あんな子供を……!! 町の保安官を呼ぼうか」
もう一人の住人「ムダだ このゴミ山に法律は届かねェ… それに…あの男はブルージャムの一味だ…貴族に金を納めてる あいつらのこの国での犯罪・殺しは黙認されてる…!! ゴミ山にいくつ死体が増えようがゴミはゴミってわけだ」

ポルシェーミ「答えろ!!!!」
ルフィ「………いわねェ…」
ポルシェーミ「クソガキが一丁前に秘密を守ろうとすんじゃねェよ!!!」
まだ殴り続けるポルシェーミと涙を流すルフィ
ルフィ「いわねェ……!! いわねェ………!!」
ギラっと刀を抜くポルシェーミ
ポルシェーミ「じゃあもういい!!……死ねよ」
ルフィ「!?」

ドカァァン!!!
エースとサボ「やめろォ~~~~~~!!!」
二人で小屋をぶち壊し飛び込んでくる絵
ポルシェーミ「………………!!!」
船員「…コイツだァ~~~!!ポルシェーミさん!! 金奪ったのコイツです~!!!畜生ォ!!!」
ギロリと睨むポルシェーミ
ルフィ「エ…エース~~~!!!」
号泣するルフィの絵

ポルシェーミがエースを掴む
ポルシェーミ「自分から来てくれるなら話は早ェ!!!」
エース「!!? く!!!」
ポルシェーミ「口が堅くて困ってたんだよ てめェのダチが!!!」
エース「サボ!!!」
ポルシェーミ「ん?」
サボ「ウォリャアア!!!」
ポルシェーミを持っていた棒で思い切り殴る
船員「ポルシェーミさん!!!」
焦る船員
ズズゥン!!!と倒れるポルシェーミ

この隙にサボが船員から素早くナイフを奪う
船員「あ!!ナイフ!!」
縛られた縄を切りルフィを抱え走るサボ
サボ「逃げるぞエース!!!」
エース「先に行け!!!」
起き上がるポルシェーミを待ち構えるエース
サボ「!!? バカお前…!!」
エース「一度向き合ったら おれは逃げない……!!!」
ドンッ!!!
凄み構えるエースの絵

サボ「やめろ!!!相手は刀持ってんだ!!! 町の不良とわけが違うぞ!!!」
ポルシェーミ「オイ…少し魔がさしたんだろ? 大人しく金を返せよ悪ガキ」
エース「おれ達の方が有効に使える」
ポルシェーミ「バカ言ってんじゃねェよ!!!」
キレるポルシェーミ
サボ「お前…ちょっと待ってろ!!」
ルフィを置きエースの助太刀に向かうサボ
ポルシェーミの一刀でエースの額が棒と共に斬られる
ポルシェーミ「ガキに敗けたら おれァ…海賊やめてやるよォ!!!」
額から流血するエースと怒りの表情で飛び込むサボ
ポルシェーミは余裕顔でルフィが唖然とする絵

場面は夜になる
ブルージャム「事の顛末は聞いたぞ ポルシェーミ情けない奴だ………」
船員「マジかよ お前……!!」
ボロボロにやられているポルシェーミの絵
ポルシェーミ「すいませんブルージャム船長…あの金は…」
ブルージャム「こっちを見るな 顔も見たくねェ…」
銃を構えポルシェーミを射殺するブルージャム

場面変わり
ルフィ「うえ~~~~~ん どゥおお~~~…ん」
号泣するルフィ
サボ「お前…悪ィクセだぞエース!!本物の海賊を相手に「逃げねェ」なんて!!! なんでお前はそう死にたがりなんだよ!!!」

サボが怒るもただ黙り込むエース
サボ「…はァ こんなことしちまって ブルージャムの一味はもうおれ達を許さねェぞ この先追われる……!!」
ぐしゃぐしゃの泣き顔のルフィ
ルフィ「恐がっだ…死ぬがどぼどっだ」
エース「うるせェないつまで泣いてんだ!!おれは弱虫も泣き虫も大っ嫌いなんだよ!! イライラする!!」
エース激怒でルフィがピタッと泣き止む
エース「お」
ルフィ「……ありがどう」
ぺこりとエースとサボに頭を下げるルフィ
エースとサボ「………」
礼を言いながらまた泣き崩れるルフィ
ルフィ「たす…助げでぐれで…ウゥ…」
エース「てめェ!!」
サボ「おいおいっ!! 礼を言ってるだけだ」
怒るエースを止めるサボ

エース「……だいたい…お前 何で口を割らなかったんだ!!? あいつらは女でも子供でも平気で殺す奴らだ!!!」
ルフィ「…喋ったらもう友達になれねェ………!!」
エース「なれなくても死ぬよりいいだろ!!!何でそんなに友達になりてェんだよ…おれと!! お前おれにどういう目に遭わされた!? とうとうここまで付いてきやがって!!」

鼻水をすすり叫ぶルフィ
ルフィ「だって他に!!頼りがいねェ!!!」
エース「!?」
ルフィ「フーシャ村には帰れねェし…山賊は嫌いだし…!!お前を追いかけなかったら…」
エース「……………!!」
ルフィ「おれは一人になる …一人になるのは痛ェより辛ェ!!!」
エース「……お前親は…」
ルフィ「じいちゃん以外いねェ」
エース「…おれがいれば辛くねェのか… ……おれがいねェと……困るのか」
ルフィ「うん」

回想場面
「もしロジャーに子供がいたら?? がはははそんな奴がいたら困るなァ!!!」
「そいつは生まれて来る事も生きる事も許されねェ 〝鬼〟だ!!」

場面戻り
エース「お前はおれに 生きててほしいのか……?」
ルフィ「!? ……!!当たり前だ!!」
エース「…そうか―――でもおれはお前みてェな甘ったれ嫌いだしな」
頭をかきながら話すエースにルフィが言い返す
ルフィ「甘ったれてねェよ!!おれは強ェんだ!!」
エース「強い?どこが強いんだ 男のクセに泣いてんじゃねェか!!」
ルフィ「トゲで殴られた事あんのかお前ェエ!!!おれは7歳だぞ!!お前みたいに10歳になったら絶対泣かねェしもっと強ェ!!!」
エース「おれは7歳でも泣かねェよ!!バーカ!!一緒にすんな!!」

ルフィ「おれは誰よりも強くなるんだよ!!! すげェ海賊になるってシャンクスと約束したんだからな!!!」
バチバチと火花を散らすエースとルフィの絵
エース「海賊!?お前が??」
サボ「なー ところでよ おれに一つ問題ができた」
エースとルフィ「?」
サボ「おれは今までこのゴミ山に住んでたけど… 今日をもっておれ達3人は完全に海賊達に命を狙われる事になりそうだろ…」

場面変わりダダンのアジト
ダダン「どういうこったこりゃあ~~~~!! エース!!ルフィ!!そいつは誰だ!!? 何でガキがもう一匹増えてんだよ!!!」
怒鳴り叫ぶダダンに握手するサボ
サボ「よう!ダダンだろ?おれはサボ」
ダダン「サボ!!?知ってるよその名前 おめェもよっぽどのクソガキだと聞いてるよ!!」
サボ「そうか…おれもダダンはクソババアだと聞いてるよ!!」
ダダン「余計な情報持ってんじゃねェよ!!」

【〝不確かな物の終着駅〟を追われる形で共に暮らす事になったエースの親友サボ】
アジトからエース達が山へ向かうのをダダンが怒鳴る絵
ダダン「おめェらァ!!ショバ提供してんだから働きやがれェ!!!」
エース「ルフィ!!ついて来れなくても置いてくからな!!」
ルフィ「ついてく!!」

【エース・サボ・ルフィ やがてこの3人の悪童は山道やジャングルの猛獣―― 町の不良達〝ゴミ山〟の悪党達 入り江の海賊達との戦いに明け暮れ―― その悪名はついに王国の中心街にも届く程となっていく】

ダダン「ドグラ!!マグラ!!「ゴア」ってのは……どこだ?」
ターバンが恐らくドグラ
ドグラ「一応このコルボ山も〝ゴミ山〟もフーシャ村も「ゴア王国」の領土ディスけど?」
ダダン「―だよねェ~」
マグラ「まーまーお頭っ!!珍しく新聞なんか読んで 今日は槍でも降りますかねェ」
ダダン「この王国に客が来るって?何だかでかいニュースになってるが 何の騒ぎだ そんな偉い奴なのか?? 〝天竜人〟ってのは」
ダダンのアジトの絵

終わり