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新造・・・江戸時代の遊女の一階級で、「しんぞ」ともいう。時代や土地によってその対象は一定しない。寛永(かんえい)(1624~44)ごろには新しく店に出た太夫(たゆう)を新造とよんだが、江戸・吉原では禿(かむろ)の年季を終えて姉女郎についたものを新造といった。吉原の新造は遊女見習いで客をとらせず、作法などを修得すると遊女営業を始めさせた。これを「突出(つきだ)し」といって、衣類などに莫大(ばくだい)な費用をかけた。同じ吉原でも下級遊女屋には新造という下級遊女がおり、また上級遊女の身辺を世話する30歳以上の番頭新造がいた。番頭新造の役をする者を大坂では引舟(ひきふね)と称した。
禿(かむろ)・・・かぶろともいう。廓(くるわ)ことば。遊里で一人前の遊女になるための修業をしている6、7歳から13、14歳までの少女たちのこと。これを過ぎると吉原では振袖新造(ふりそでしんぞう)から番頭新造となり、さらに太夫(たゆう)となった。禿は髪を額のところで切り、残りを肩のあたりまで垂らして切りそろえたので切り禿ともいう。江戸末期の禿の服装は、桃色縮緬(ちりめん)か絖(ぬめ)の無地の表着に花魁(おいらん)の定紋を5か所つけ、帯はビロード、袖は広袖。浮世絵では花かんざしの華麗な服装で描かれている。太夫の道中では、女郎の格によりお伴(とも)の禿も3人、2人、1人の区別があった。桃山時代以来、一般婦女にも切り禿の髪がみられる。