昔、台風19号という別名「りんご台風」と呼ばれた、青森県を直撃した台風がありました。


リンゴ園をじゅうたんの様に埋め尽くした「りんごの実」を見て、全国の人が同情しました。


私も当時弘前市のアパートに住んでいて、命の危険を感じました。隣の二階建てのアパートの屋根は、吹き飛ばされ完璧になくなっていました。町内のコンクリートの電柱は、相当数折れていました。三日間停電しました。


実は、この年、史上最高の利益をあげた「りんご農家」が多かったのです。一部の人しか知らない事実ですが、マスコミなど表に出ることはなく、埋もれています。


りんごが半分落ちたとしても、残ったりんごの値段は三倍です。山の陰などでほとんど落ちなかった地域もありました。仮に、八割が残り、値段が三倍になり、落ちた分の共済金ももらい、無利息の借入金は定期預金、などの人は家が建ちました。


ただ、この年以外(普通の年)りんごの収入だけで生活していくことは困難です。最も手間のかかる農作物でありながら、収入が少ないのです。ですから、後継者になる人も少ないです。