「お客様は神様です」といったのは「三波春夫」さんでした。日本人ならたいてい知っている言葉です。


その言葉が出てから、「お客なんだから何を言っても、何をしても許される」と勘違いする人々が出てきて、いわゆる「クレーマー」や「バカ親」の発生など、どんどんモラルが低下してきました。今日の社会問題の原因の一部に、この「お客様は神様です」の考えがあると私は分析しています。


商売をしていると「お客様は神様です」の考えはもちろんあります。お客様が来ないことには売上は上がりませんから。特に現金商売はそうです。


ところが、私の会社のように、建材を納めたり、工事を請負う商売の場合、実際に代金を回収するまでに長いときは半年位かかります。「手形」といって何ヶ月か後に支払うというものを使うからです。支払うお客様が倒産すれば、紙切れになります。月1000万円くらいの取引先だと、5-6000万円くらいたまります。大丈夫と思ってもかなりの「リスク」です。


ですから、新しいお客さんが来て「材料を売って下さい」「工事をして下さい」といわれても、すぐに取引はできません。信用調査が必要です。取引はお金を回収してはじめて完結します。


現金商売以外の場合は、「支払いの確実なお客様が神様です」となります。