商品に値札がついている日本は特殊な国のようです。特にアジアの観光地に行くと値札がなくて戸惑ってしまいます。


千円札はだいたいどこでも使えます。ですから「全部で千円」が観光地の合言葉のようになっています。


一月の平均収入が日本円で、3000円とか、8000円とか一万円にみたない国や地域が存在します。その場所に行くと千円の価値がものすごいことになり、もう二度と会うことのない日本人に一発勝負をかけることになります。


中国で「Tシャツ10枚千円」、「おみやげに一人100円か」と迷っているうちに、観光バスの出発時間になりバスに向かうと、一挙に「Tシャツ20枚千円」になります。喜んで買い、出発したバスの中で確認するとだいたい15-6枚です。


バリ島の観光地で笛のような置物があり「1個3000円」、無視すると「2個3000円」、迷うふりをすると「3個3000円」。欲しかったので結局1個千円で買いました。グッドショッピングと満足しました。


あとでガイドの人に聞いたら、「1個300円くらいかな」とのこと。10倍の値段から始まる値段交渉は、私の常識をはるかに超えるものでした。


観光バスに戻っても、みんな互いに「いくらで買ったか」聞かないようになります。悔しい思いをしますから。